ペンギンの交尾はちょっと残念!?
ここまで、進化の中で洗練されていった“性”を紹介してきましたが、最後に「なんで未だにそんな効率の悪いやり方を……」と思ってしまう、ちょっと残念な(?)生物を紹介しましょう。それは、水族館の人気者・ペンギンです。
ペンギンの交尾では“挿入”はありません。ではオスが精子をかけるのか、というと、実はそれも違います。ペンギンは、メスの上にオスが乗っかって、それぞれの生殖口をくっつけて精子を「流し込む」のです。
問題は、この生殖口が本当に小さいということです。腹ばいになったメスの背中にオスが乗っかるわけですが、バランスボールの上にバランスボールを乗せるようなものなので、そもそもうまく乗ること自体が難しいのです。その上で、お尻の先っちょにある小さな生殖口同士をピタっと合わせなければならないので、これはどう考えても至難の業です。
邪魔が入ったら確実にずれてしまいますし、そもそもお互いの体型的な条件が合わなければ、どう乗っかっても不可能、ということも十分ありえます。長時間、メスの上でオスがバタバタしながら位置を微調整し続けている姿を見ると、「これは絶対不便だろうな……」と、しみじみと感じてしまいます。
“性”の進化の原動力は「効率の良さ」だけではないのかも
ただ、ペンギンはオスとメスの2羽がずっと寄り添って暮らす“一夫一婦制”の生き物です。メスの上で一生懸命バタバタしているオスを見守りながら、「もしかしてこの共同作業から夫婦の絆が生まれるのかな」と、ふと思ったりもします。となると、必ずしも効率の良さの追求だけが、“性”の進化の原動力ではないのかもしれません。
写真=サンシャイン水族館
INFORMATION
夜のサンシャイン水族館「性いっぱい展」
【開催概要】
2019年9月27日(金)〜11月4日(月・振休) ※休業日10月17日(木)
18時半〜22時 ※最終入場は終了1時間前になります
【会場】
サンシャインシティ ワールドインポートマートビル屋上
サンシャイン水族館 本館
※詳しくは公式HP(https://sunshinecity.jp/file/aquarium/sexy/)をご確認ください