異様な数の星条旗
広場でひと際目を引いたのが、異様なほど多く掲げられた星条旗だった。デモ団体のブースにも、至る所に韓国国旗とアメリカ国旗が並べられ、トランプ大統領の自伝も販売されていた。
史上最悪と言われる日韓関係を反映してか、比較的親日的といわれる保守層の集会にもかかわらず、日本のメディアであることを伝えただけで質問にも応じてもらえない場面が続く。そんな中、インタビューに応じた大学4年生の24歳男性は、記者にこう打ち明けた。
「本来、星条旗がここにあるのは望ましくありません。ですが、これまでの韓米同盟を守るべきだという主張を届けるためにはやむを得ません。昨日(2日)も北朝鮮はミサイルを発射しました。どう考えても日本との間でGSOMIA破棄を決定したのは間違いです。韓国と日本だけの問題ではなく、韓米問題にもなる。将来的に韓米安保も崩しかねない。
文在寅政権になって、国の政治は国防、外交、経済、すべてがダメになりました。日本との関係もボロボロ。北朝鮮にばかり目を向けて経済は市場経済をやっているとは思えないし、国際政策でも国際秩序を無視してばかり。韓国は本来、アメリカ、日本という海洋勢力と一緒になるべきです。なのに、ロシア、北朝鮮、中国という大陸勢力と一緒になろうとしている。国際的な暴力団と一緒になるようなもので、大きな間違いです」
男性へのインタビューが終わると、元ソウル市長の呉世勲(オ・セフン)氏が「政権は国民をバカにしている! にもかかわらず国民はまだまだ大人しい。今こそ立ち上がれ!」とアジテーションを繰り返す。反文在寅のデモ隊は16時を過ぎるまで光化門広場でシュプレヒコールをあげたのちに、青瓦台の方向へと歩み始め、21時を過ぎても続いていた。