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 慰安婦問題は、徴用工問題とまた違う問題です。慰安婦については「日本政府が絡んだ」とか、「いや売春会社が募集していた」などと、様々な議論が出ています。それ自体は議論の余地があることです。ただ、これについても安倍首相が日本の責任があることを認めて、2015年12月に韓日政府の間で慰安婦合意をしました。すでに一応の整理・解決がなされています。

 2つの問題に共通するのは、解決済みだった問題を、文在寅政権が掘り返して問題にしていることです。いずれも、政府と政府の間で合意した話です。もちろん合意された内容に満足できない人もいるでしょうが、その不満は韓国政府に向かって言えばいいのです。

 それにもかかわらず、文在寅政権は合意内容に不満を持つ人々を諫めるどころか、むしろけしかけている。何故かと言えば、朴正熙政権、その娘の朴槿恵政権の自由民主主義の価値や精神を断罪するという政治的な目的があるからだと考えられます。

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チョ・グクは枝、文在寅は木。根っこは……

 2017年の就任以降、文在寅の言動は異常なものでした。その思想を共有した「盟友」こそ、曺国です。

 曺国は韓国を破壊して社会主義を建てようとする、急進的左翼組織「南韓社会主義労働者連盟」で過激な活動をして拘束された経験があります。ソ連のような社会主義体制を建設するという文章までペンネームで執筆している。レーニン主義者であり、社会主義者、共産主義者でもある。先日、国会の聴聞会でも曺国は、自分は社会主義者であると発言しました。

文在寅大統領(左)と曺国(チョ・グク)氏 ©共同通信社

 正常な大統領であれば、彼のような人物を絶対に法務部長官に任命しません。なぜ、すべての批判を甘受しながら、曺国を指名したかと言えば、韓国の法治体制を破壊するためだと思います。

 結局彼らは、同じ考えを持っているのです。文大統領の言動から例を挙げましょう。

 まず、文大統領は、自身の自叙伝である『運命』の中で、ベトナムが共産化した時には喜んだと書いています。また平昌オリンピックの開会式のレセプションでは、北朝鮮の金永南・最高人民会議常任委員長やアメリカのペンス副大統領、安倍首相の前で、韓国の思想家である申栄福(シン・ヨンボク)を尊敬しているという話をしましたが、彼は北朝鮮の指令を受けていたスパイで、韓国で刑務所生活をしていた人物です。