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金田さんも「お前の言う通りや。投げさせなきゃだめだ」
「先日亡くなった金田正一さんから、当時電話をいただいて、『お前の言う通りや。投げさせなきゃだめだ。賛否両論じゃないよ。99%だ』とおっしゃった。日本一のピッチャーが同じことを考えてくれてると思って、やっぱり心強いなと。故障やケガを考えたら、投手はやれません。ケガはスポーツ選手の宿命だから。
あの(議論の)後で、甲子園で奥川君が投げる姿を見て、星稜ナインたちは歯を食いしばって涙ぐんでいた。同じように佐々木君にも緊迫した大きな試合を経験させてあげたかったわな。彼は震災で家族を亡くして悲しい教訓を抱えている。そんな彼を檜舞台に出してやらなきゃ、胸が痛いよ」
――佐々木投手がプロで長く活躍するために必要なことは?
「佐々木君は左足を高く上げる独特の投球フォームですけど、プロでは球数を多く投げるから、あのフォームでは疲労が蓄積しやすい。1年間先発ローテーションを守るなら、スタミナを考えて、高く上げる足を少し低くしたほうがいい。あとは、大谷翔平(エンゼルス)の5年じゃ短いけど、7年や8年はしっかり日本流に耐えてやってもらいたいわな。将来、メジャーへ行くにしても、東洋人と欧米人は体力が違うから。日本人は走って下半身を鍛えなきゃ。それで金田正一さん(400勝)や米田哲也さん(350勝)、稲尾和久さん(276勝)みたいな大投手が生まれるんだから」
一方、張本氏は「佐々木君よりも奥川君のほうが早く即戦力になるかも知れない」と解説する。