ドナルド・トランプ 米大統領
「きょう会った時にハグをした。そういう気持ちになったからだ。われわれは、とても相性がいい」
フジテレビ系(FNN) 2月11日
名言、珍言、問題発言で1週間を振り返る。まずは日本時間2月11日に行われた日米首脳会談より、安倍晋三首相との蜜月ぶりを見せつけたドナルド・トランプ米大統領の言葉。トランプ大統領はツイッターで「日本には素晴らしい代表者がいる」とも述べたが、一方で「(相性の良さが)それも変わるかもしれない。たぶん、ないと思うが」と気になる発言も残している。
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綱川智 東芝社長
「数字を見ると正しいとは言いにくい」
日経ビジネスオンライン 2月16日
アメリカの原子力事業で7100億円を超える巨額の損失を計上する見通しとなり、主力の半導体事業を分社化して株式の一部を売却する創業113年の名門企業・東芝。2月14日に実施予定だった決算発表会は急遽延期となり、綱川社長らによる記者会見が開かれた。まさに「血のバレンタイン」(ジャーナリスト・大西康之氏命名)となった会見後半、「ウエスティングハウスの買収は正しい選択だったか」とストレートな質問を浴びた綱川社長は、小さな声でこう答えた。
その後、東芝は求人サイトで経理財務担当者を募集(現在は削除)。「『新生東芝』のコーポレートガバナンス改革を担っていただきます」との文言で、年収は「550~850万円」とあった。年収のわりには、ちょっと酷な仕事だ。
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ドアン・ティ・フォン 金正男氏殺害事件の容疑者
「ベトナムのインターネットのアイドルです。殺した相手は誰か知らなかった」
日テレNEWS24 2月16日
北朝鮮の金正恩委員長の異母兄弟にあたる金正男氏がマレーシアの空港で暗殺された。「毒針が使われたのではないか」など、さまざまな情報が飛び交ったが、地元警察が15日に逮捕した実行犯と見られる女の供述に我々はさらに度肝を抜かれることになる。
容疑者はベトナムのインターネットアイドルで、マレーシア旅行中に空港で見ず知らずの男たちに「乗客にいたずらを仕掛けよう」と持ちかけられ、正男氏に毒物を吹きかけてハンカチで口をふさいだというのだ。現実は我々の想像を軽々と超えていく。
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清水富美加
「神とか仏とか、あの世とか、確かめようのないもの、この目で見たこともないものを、私は信じ、神のために生きたいと思いました」
スポーツ報知 2月12日
ワイドショーなどを騒がせた女優・清水富美加の幸福の科学への「出家」宣言。幸福の科学が発表した本人直筆メッセージには「神のために生きたい」と書かれていた。その後、教団側が清水の所属事務所レプロの労務管理を告発し、レプロ側が反論するという泥仕合に発展。一方、「千眼美子」という法名を与えられた清水は突然告白本のリリースを宣言するなど、まだまだ騒動は収まらなさそう。
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瀬戸欣哉 LIXIL社長
「放射能の影響で大きくなりました」
毎日新聞 2月15日
今週の大失言。環境省で山本公一環境相と意見交換を行った際、瀬戸氏の体格の大きさが話題になったときの返答がこれ。瀬戸氏は「冗談だった」と釈明したが、どういう頭の回路からこんな言葉が出てくるのか。東京電力福島第1原発事故に伴う除染や指定廃棄物対策を所管している環境省を皮肉ったのだろうか。
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韓国サムスングループ関係者
「天が崩れるというのは恐らくこういう感じを言うのだろう」
レコードチャイナ 2月17日
韓国最大の財閥、サムスングループの事実上トップ、サムスン電子副会長の李在鎔(イ・ジェヨン)容疑者が、朴槿恵(パク・クネ)大統領の友人、崔順実(チェ・スンシル)被告への贈賄などの疑いで逮捕された。今年1月に同容疑で行われた逮捕請求が棄却されたときは「法の上にサムスンがあるのか」などと韓国国民が激怒。検察側はその後も捜査を続け、今回の逮捕に至った。
上記の発言はイ容疑者のいるソウル拘置所前に集まったサムスン関係者のもの。韓国経済にとってサムスンの存在の大きさを表している。
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籠池泰典 学校法人森友学園理事長、塚本幼稚園園長
「よこしまな考え方を持った在日韓国人や支那人」
共同通信 2月16日
大阪市淀川区の学校法人森友学園が運営する「塚本幼稚園」が昨年12月、このような内容の文書を保護者に配布していたことが明らかになった。憎悪表現(ヘイトスピーチ)に当たる恐れがあると問題視した大阪府が、籠池泰典理事長らから事情聴取を行った。また、塚本幼稚園の籠池諄子副園長が、園児の保護者に対して「韓国人と中国人は嫌いです」と手紙を渡していたことも報じられている(日刊スポーツ2月16日)。同園は園児に「教育勅語」を暗唱させるなど、戦前の愛国教育を行っていることで話題になっていた。
森友学園は現在、安倍昭恵氏が名誉校長を務める私立小学校「瑞穂の國記念小學院」の設立準備中だが、国有地を10分の1程度の価格で払い下げられた問題でも注目を集めている。はたして今後どうなるか?
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荒井健次
「鉄の塊(トラック)が突っ込んできても、とっさに身をていしてこの子(次男)を守れるぐらい気が強いところもある。母のかがみ」
埼玉新聞 2月10日
埼玉県草加市で、赤信号を無視したトラックが歩道に乗り上げ、歩道を歩いていた母子がはねられて死傷した事故。死亡した荒井美季さんは、翌日2歳の誕生日を迎える次男をとっさに守り、次男は奇跡的に軽傷で済んだ。この言葉は、美季さんの夫、健次さんが通夜で語ったもの。
トラックの運転手は調べに対して、「スマートフォンで地図を見ていて信号に気づかなかった」と供述している。週刊文春の取材に対して健次さんは、次のように語った。「嫁さんが息子を守って、人柱になったことを知ってもらうことで、運転する人の意識が少しでも変わってくれればと思います」。
(文中、一部敬称略)