うんざりである……感情豊かな「産経」
《その旭日旗が、またぞろ韓国の難癖にさらされている。うんざりである。厳然と突っぱねてもらいたい。》
「うんざりである」と社説にしては感情が豊か。産経は「社説」ではなく「主張」と言っているので当然か。
実は新聞の社説に「主張」と名付けているのは「産経」と「赤旗」だけ。そう考えると産経の宿敵は朝日ではなく赤旗なのかもしれない。
旭日旗「持ち込み許容の再考を」と訴えるのは?
この2紙と対照的な社説をあげるとこちら。
「五輪と旭日旗 持ち込み許容の再考を」(東京新聞・9月25日)
「読売」「産経」と明らかにちがう「東京」。では、再考の理由とは?
《民間に普及しているという日本政府の説明には、無理がある。過去、旧日本軍の軍旗などとして使われていたのは歴史の事実だ。さらに日本国内では、今も軍国主義やナショナリズムのシンボルとしてしばしば登場している。》
《〇八年の北京五輪では、現地の日本大使館が日本人観客に対し、競技場へ旭日旗を持ち込まないよう文書で呼びかけている。海外の試合はだめだが、自国開催の五輪なら問題はないのか。日本政府の姿勢は矛盾している。》
北京五輪での対応をもとに矛盾を指摘する「東京」だが、もっとも警戒しているのは旭日旗が「今も軍国主義やナショナリズムのシンボルとしてしばしば登場している」という部分だろう。
「北海道新聞」の社説は、
「五輪に旭日旗 政治対立あおらないか」(9月25日)
《五輪憲章は会場などでの政治的活動を禁じている。日韓関係が悪化する中での掲揚は、政治的主張と受け止められるリスクがある。軍旗として使用された歴史は、平和を掲げる大会の理念にそぐわないのではないか。誰かが不快と感じるものを掲げることが「おもてなし」とも思えない。》
出ました「おもてなし」! 滝川クリステルさんが6年前に世界に約束した言葉がここでよみがえる。