文春オンライン

東京五輪への「旭日旗持ち込み」問題 新聞社説が“賛否両論”真っ二つに分かれた理由

あなたはどの社説の考えに近い?

2019/10/18
note

サッカーではダメなのに五輪はなぜOKなの?

「東京」「北海道」両紙は共通してあげる具体例がある。「17年のアジア・チャンピオンズリーグの試合に持ち込まれた旭日旗」について。

《二〇一七年に韓国京畿道の水原で行われた韓国チームとの試合で、川崎フロンターレの一部サポーターが、旭日旗を掲げた。

 アジア・サッカー連盟(AFC)は旭日旗を、「攻撃的、挑発的な内容を含んだ横断幕や旗」であると認定し、フロンターレに罰金などの制裁を科している。》(東京)

ADVERTISEMENT

《政治的意見に関連する差別的な象徴と認定。政治的意図はないとの主張を退けた。》(北海道)

 サッカーではダメなのに五輪はなぜOKなの? という両紙の疑問がうかがえる。

©iStock.com

 一方で旭日旗問題はこちらもセットになっている。

《障害者スポーツの団体である大韓障害人体育会はパラリンピックのメダルのデザインが「旭日旗に似ている」として国際パラリンピック委員会(IPC)と組織委に抗議する意向という。》(産経)

 あのメダルは旭日旗ではなく扇をモチーフにデザインしたものだ。この件があったから「言いがかりも甚だしく」と産経はカチンときたのだろう。でもその意趣返しで旭日旗を持ち込んだらやっぱり「挑発」になってしまう……。感情のぶつけ合いが生んだ悪循環。