10月22日、天皇陛下が即位を宣言される「即位礼正殿の儀」が行われる。国内外から約2000人が出席する予定だ。同日に予定されていた祝賀パレード「祝賀御列の儀」について、政府は台風19号の被災地への対応に万全を期すため、11月10日に延期して実施する方針だという。

 令和が始まってからまもなく半年。名古屋大学大学院人文学研究科准教授の河西秀哉氏が、皇后雅子さまへの注目がより高まっている理由について考察する。

天皇皇后両陛下 ©JMPA

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なぜ女性たちは、雅子さまの足跡・経歴に注目するのか

 令和になって、雅子皇后への関心は続いている。以前、「『皇后雅子にスポットライトが当たった』海外メディアが不思議がる“令和皇室”2つのポイント」という文章を書いた。その中では、令和の天皇制が日本や諸外国のメディアにおいて相当に注目されており、新天皇・新皇后のキャリアや人柄、その行動などが報じられていることを紹介した。

 特に雅子皇后に対しては人々の興味関心は高いようである。「婦人公論」2019年10月8日号に掲載されている読者アンケートでは、「あなたが注目している女性皇族はどなたですか?」という質問に対して、雅子皇后と答えたのが56%で半数以上を占め、第2位の愛子内親王と答えた23%の倍以上の数値を示している(第3位は美智子上皇后で10%)。女性皇族の中で皇后という立場は最も注目を浴びる存在と言える。

天皇皇后両陛下とフランスのマクロン大統領夫妻 ©ロイター/AFLO

 また同じアンケートでは、「令和の皇室で関心があることは?」という問いに対して、第1位は「雅子さまのご体調や外交手腕」であり、女性誌ということもあるだろうが、令和の天皇制のなかで、新皇后は最も人々の興味をひきつけていることがわかる(ちなみに第2位は「皇位継承について」、第3位は「眞子さまと小室圭さんのご婚約」と続く)。しかも、体調や外交手腕といった、その足跡・経歴に関心が高い。「婦人公論」の読者向けのアンケートであることから、同じ女性が雅子皇后のそうした側面に注目していることがわかる。

 なぜなのだろうか。1993年1月19日、小和田雅子さんと徳仁皇太子との婚約が皇室会議で内定、6月9日に結婚の儀が行われた。ハーバード大学卒業・外務省勤務という雅子さんのキャリアは、1985年に制定された男女雇用機会均等法を体現する存在と見られた。この法律が社会に定着して、女性が積極的に仕事をこなし、活躍する。雅子さんは男女雇用機会均等法第一世代の女性のモデルだったとも言えるかもしれない。

小和田雅子さん(当時) ©AFP/AFLO