法相を突然辞任した曺国(チョ・グク)氏。韓国ではその辞任を当然視する声が多い。世論調査会社「韓国ギャラップ」によると、曺氏の辞任に国民の64%が賛成、反対は26%だった。「辞任が遅過ぎる」との意見が韓国社会では多いようだったが、筆者としては就任わずか1カ月余りでの辞意表明に、むしろ呆気なさを感じた。
曺氏をめぐっては、娘の不正入学や親族の不透明な投資疑惑などが取り沙汰され、妻が娘の大学進学に有利になるよう表彰状を偽造したとして私文書偽造の罪で在宅起訴された。にもかかわらず、曺氏は「私は関与していない。知らない」と言い張り、文在寅政権が公約に掲げた検察改革へ意欲を見せていた。
このふてぶてしさが世論の反発を招いたわけだが、図太く法相の座にとどまり続けると思いきや、あっさりと自らギブアップ宣言をしてしまったのだ。
「これ以上、私の家族のことで大統領や政府に負担をかけてはならないと判断した」
「国民にあまりにも申し訳ない。特に傷ついた若い人たちに本当に申し訳ない」
と頭を下げた曺氏だが、図太さは残っているようだ。曺氏は法相を辞任した10月14日に、休職していたソウル大学法学専門大学院への復職をさっさと申請し、翌15日付で同大学院教授に復職した。
支持率がはじめて40%割れ
側近中の側近であった曺氏の辞任によって、最も打撃を受けたのは、当然ながら文在寅大統領だ。