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【南ア戦で奮闘】「歴史を変えるのは誰!?」 38歳トンプソンルークが4度目のラグビーW杯で見せ続けた“タックル”

「ブライトンの奇跡」から4年

2019/10/20

「私たちは仲間をめちゃ信じて、頑張った」

 日本代表史上最多タイの4度目となった今回W杯でもトンプソンのスタンスは変わらなかった。スコットランド戦後の記者会見で、勝利の喜びをこう語っている。

「スコットランドは素晴らしいチーム。ギリギリの試合でした。でも、私たちは仲間をめちゃ信じて、頑張った。だからすばらしい結果が出せた」

 台風19号の被害に触れることも忘れない。

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「台風に比べて、ラグビーは小さいことね。亡くなった人もいる。家がダメージを受けた人は頑張ってください。私たちも頑張るから」

 

 他者を思いやる誠実な人柄。そして、チームのためにくり返す激しいタックル。トンプソンがファンに「トモさん」と愛されるゆえんである。

38歳の“おじいちゃん” 「日本人が尊敬するのは人だけじゃない」

 自らを「おじいちゃん」と呼ぶトンプソンは、ニュージーランド生まれの38歳。

 2004年、トンプソンは三洋電機(現・パナソニック)でプレーするために来日した。当初は、1、2年で帰国し、子どものころからの夢だったオールブラックスを目指すつもりだった。しかし日本の暮らしやチームメイトとの出会いが、彼の気持ちを変えていく。

トンプソンルーク選手 ©ロイター/AFLO

「若い時はラグビーだけに集中していたけど、日本に来てから生活や文化が面白いと思った。日本で好きになったのは『尊敬』。若い人は年上の先輩を尊敬しますね。でも、日本人が尊敬するのは人だけじゃない。日本人は食事に感謝し、自然を尊敬する。そういう日本文化が、めっちゃ好きになった」