ラグビーは意外にも“横のつながり”が異様に強い
体育会人脈の存在も仕事を円滑に進める上で重要な役割を担っている。一見するとOB会などの縦のつながりが強固だと思われがちだが、意外にも横のつながりの方が強いという。
「競技人口の少なさもあるかもしれませんが、横のつながりが異様に強い。面倒見が良いというのもあると思いますが、やっぱりラグビーは痛いスポーツ。その痛みを乗り越えてきた者同士、ある程度信用する部分があると思います」(同前)
また身の回りにいる、出世するラガーマンの共通項については次のように語る。
「多様性を受け入れ、自分の世界だけで終わらないことだと思います。ラグビーもダイバーシティは得意分野。生き残っていくためにはそのときの業界のルールや慣習に合わせて自分を変化させていくことが求められる。そのなかで勝つために自分の強みを出していくことが重要です」(同前)
キーワードは「多様性」
ラグビーはポジションによって体格や特性が多岐にわたるスポーツだ。またW杯を戦う日本代表は、31人中15人が外国人選手で構成され、多様性がキーワードとなっている。
株式会社グリッドCEOで、吉野家CMOの田中安人氏も元ラガーマンの1人。広告制作会社入社後、自身で広告代理店を立ち上げると女子十二楽坊やレアル・マドリーの来日を手がけた。
その田中氏も多様性を生かしたチームマネジメントを行なっているという。
「マーケティングの世界ではラグビーで培ったチームマネジメントが役に立ちます。様々な体格、性格の人がいることが強さになっていると思います。実際私のチームでは若手の女性が一番成果を出していたりする。ラグビーはチームスポーツなので、チームの中でどうマネジメントするか、どうすればチームが強くなるかっていうのを考えないといけない」
ラグビーではスクラムやタックルなど激しいボディコンタクトが多く、それに耐えうる屈強な肉体に目が行きがちだ。しかし思考力も問われている。
「アメフトをやってみてわかったのですが、ラグビーは攻守が瞬時に切り替わるので、思考回路が高度。戦略と戦術がしっかりしたスポーツなので、考えないと勝てないんです」(同前)