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寅さんの服地は婦人ものだった
そのことを鑑みれば、『男はつらいよ お帰り 寅さん』公開に際し、ビームス ジャパンがコラボレーションアイテムを製作したのは、自然な流れと言えるかも知れない。そこでビームス ジャパンのディレクターに尋ねてみると「ファッション的な観点はあまり意識していません」とひと言。
「製作するにあたって、山田洋次監督は『あのスタイルは寅さんだから、渥美清さんだからこそ成り立つものです』と話されていました。あのセットアップに使われたチェックの服地も、もとは婦人服のものだとも教えていただきました。やはり映画の衣装であり、寅さんのキャラクターを誇張するスタイルなので、あのままを再現したり、他の誰かが身につけても、カッコよくはないんです。なので、ビームス ジャパン的な解釈での寅さんスタイルを、グッズに落とし込みました」
寅さんは『男はつらいよ 望郷篇』の中で「粋だとかイナセってのは今までの俺のことをいうんだよ」と語っていたが、10年代はファッションにおいてそれが証明された時代だったと言えるかも知れない。