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最高時速304kmで南京に移動し、日本の歴史を知る
上海虹桥駅は京滬高速鉄道の始発駅なので、ホームには既に車両が入線している。上海から南京までは約300kmの距離で、私が乗るG1920は1時間26分かかるが、最速列車だと1時間で行ける。東京からだと名古屋に移動するようなものだ。
ところで、この移動時にちょっとした問題が発生していた。隣席の巨漢が肘置きから15cmほど私の座席側に領空侵犯してきたのだ。長距離フライトであればケンカに発展するような出来事だが、1時間半程度の乗車なら我慢すればいいかと、巨漢の反対側へ体を寄せて寝ていた。中国人は脂っこいご飯を食べる割に肉付きの良い人が少ないので、むしろこのような体験は珍しい。
南京に到着後、日本人ならご存知「南京大虐殺事件」を伝える南京大虐殺紀念館に向かった。第二次世界大戦中、旧日本軍が南京に侵攻した際、中国軍兵士のみならず一般市民までも虐殺する事件があったと言われている。日本国内で日本の負の過去を知ることは少ないが、ここには日本が加害国だった当時の日本語資料が多く展示されており、それらを原文で読める日本人にとって中国人より見応えのある貴重な博物館かもしれない。