ふえるわかめちゃんを水戻しするたびに「こんなに増えるの!?」と驚愕するのだが、中国高速鉄道の営業距離が2007年の開業からわずか3年で世界最長にまで急成長し、ふえるわかめちゃんさながら路線が増える様に度肝を抜かれたのを覚えている。
その後も中国高速鉄道は破竹の勢いで路線を拡充させ、2019年には営業距離が3万kmを超えた。日本の新幹線営業距離のおよそ10倍、地球1周4万kmの4分の3。要するに桁外れに長いことだけは理解できる。
一路線でも高速鉄道を走破してみたい
私が中国で走破した鉄道路線は、青蔵鉄道(西寧~ラサ1,956 km)、南疆線(トルファン~カシュガル1,446km)、喀和線(カシュガル~ホータン488km)の3路線のみで、いずれも高速鉄道ではない。となると一路線でも高速鉄道を走破してみたくなるのが旅ヲタの性だ。
走破するのであれば1,000km以上の長距離メジャー路線で、なおかつ薄給サラリーマンとしてはLCCを使って出費を極力抑えたい。条件に見合う路線は、天津浜海国際空港と上海浦東国際空港を使った京滬高速鉄道(北京~上海1,318km)と、天津浜海国際空港と香港国際空港を使った京広高速鉄道(北京~広州2,298km)。世界最長の高速鉄道である京広高速鉄道は魅力だが、空港から駅までの移動も加味して京滬高速鉄道が時間・予算ともにお手軽に走破できそうだ。まずは京滬高速鉄道の走破を試してみることにした。
高速鉄道の切符を購入
Peachで上海浦東国際空港に到着後、地下鉄で上海を横断し、まずは京滬高速鉄道の起点となる上海虹桥駅にて鉄道切符を購入する。自動券売機では中国の身分証をかざさないと購入できず外国人は有人カウンターで購入することとなるのだが、常に大行列なので切符購入まで20~30分はかかる。最近では一部の駅で外国人パスポートに対応した自動券売機も設置されているが、まだ普及には時間がかかりそうだ。
今回の旅では南京南駅と泰安駅で途中下車して観光するため、切符を3つに切り分けて発券した。ついでに北京南駅~于家堡駅(2019年「高铁滨海駅」に改名)を繋ぐ京津都市間鉄道も1時間で走破できるので合わせて購入し、合計10,892円を支払う。
(1)京滬高速鉄道 上海虹桥~南京南 1時間26分 295km
(2)京滬高速鉄道 南京南~泰安 2時間40分 558km
(3)京滬高速鉄道 泰安~北京南 2時間5分 465km
(4)京津都市間鉄道 北京南~于家堡 59分 165km ※おまけ
京滬高速鉄道の総距離1,302kmは、東海道新幹線と山陽新幹線と九州新幹線を合計した距離とほぼ同じ。 購入した席は、新幹線で言うところの指定席である2等席。東京から鹿児島までの新幹線指定席が1万円を切る価格で買えると思えば、中国高速鉄道の爆安っぷりが実感できるだろう。
切符の意味は、Gから始まる番号が高速鉄道の列車番号、二等座は2等席の意味、「08车05C号」と記されているのは車両と座席番号のことで「8号車5列C席」だ。その3つさえ分かれば、駅名・年月日・出発時刻は日本人にも分かりやすい記載になっているので難しくはないだろう。