Q 高校生の頃、池上さんはどんな本を読んでいましたか。(17歳・女・高校生)
A 「哲学同好会」を創設しました。
私が通っていた都立高校の図書館に所蔵されている岩波新書を全冊読了しようという無謀な計画を立て、順番に読んでいきましたが、途中でどうしても興味が持てないテーマの本を読了することができずに挫折しました。
それ以外では、いわゆる名作と評価の高いレマルク『西部戦線異状なし』やヘミングウェイ『武器よさらば』、アンドレ・マルロー『希望』など、かたっぱしから読みましたが、きっと背伸びをしていたのでしょうね。よく意味もわからないまま、「世界の名作だから読まなければ」という義務感があったからだと思います。
それでも『希望』によってスペイン内戦を知り、スペイン内戦を現代史の中でどう位置付けるかを模索することになりました。
さらにアンドレ・マルローがフランスのドゴール政権で文化大臣を務めていたことを知ったときには驚きましたね。作家が大臣になるなんて、文化の香りが全くしない日本の大臣諸氏しか知らなかった高校生には衝撃でした。
そうそう、高校時代に「哲学同好会」を創設しました。哲学なるものを少し齧り、当時流行していた実存主義について、「ハイデッガーよりはヤスパースだ」などと口走っていたのですから、いまになってみると汗顔の至りです。
知的虚栄心の塊だったのだと思います。
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