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ハカを受け止め不敵な笑みを浮かべたイングランド主将

 そしてその歴史に新たな1ページとして加わること間違いなしなのが、冒頭で触れた今W杯でのニュージーランド-イングランド戦だ。

 イングランドは2011年のフランスとは逆に、V字の陣形を作ってハカを受け止め、その間中、V字の底に位置するイングランドのファレル主将は、不敵な笑みを浮かべていたのである。

今大会準決勝でのイングランドの“ハカ対抗策”

 

 結果は御存知の通り、格下のはずのイングランドが19-7で完勝。罰金覚悟でキックオフ前から心理戦を仕掛け、ゲームでも完全にオールブラックスを封じ込んだイングランドの周到さは、間違いなく今大会の大きなハイライトのひとつだと言えるだろう。

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 余談ながら、日本代表もハカのようなパフォーマンスを試合前にやろうではないかとの声が、ある時期まで一部ラグビー関係者やファンの間で上がっていたのだという。

「1927年に早稲田のラグビー部がオーストラリアに遠征した際、試合前に佐渡おけさを踊って、現地の観客から好評を博したことがあります。だからジャパンがパフォーマンスを披露してもおかしくないのではないか、というわけです。しかし『では何をやるのか』でいつも議論が止まってしまい、今ではその話題を口にする人も誰もいなくなりました(笑)」(小林氏)

 それでよかった……気がする。

 W杯日本大会も、残すところあと2試合。オールブラックスは11月1日、今大会最後のハカをウェールズとの3位決定戦で行う。果たして彼らが踊るのは「カマテ」か? それとも「カパ・オ・パンゴ」か?