韓国経済が土砂降り状態だ。原因のひとつはサムスンの業績悪化だが、それだけではない。韓国政府は個人消費の拡大を狙って、キャッシュレス決済を振興してきた。その結果、家計債務が膨張し、「カード破産」が急増しているのだ。国際エコノミストの今井澂氏は「いま韓国の国債は日本より格付けが高いが、この状況が続くとは考えづらい」という——。
※本稿は、今井 澂『2020の危機 勝つ株・負ける株』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。
歴史の清算にこだわりつづける文政権と韓国
ご存じのように、徴用工問題に端を発した日韓の反目が尾を引いています。
この問題の是非について、私には一家言ありますが、ここでは申し上げません。
ただ、日韓の関係は反目とわだかまりに終始してきました。それは、1910年の韓国併合条約の以前から存在しましたし、日本が韓国を植民地にしてからはさらに深刻な対立を生みました。まして満洲事変からの15年戦争の間のことは言うに及びません。
文在寅大統領という人がいかに滅茶苦茶(めちゃくちゃ)か、ここのところずいぶん明らかになってきました。
北朝鮮との平和経済が実現すれば日本に追いつく
彼は、歴史の清算にこだわった盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の大統領秘書室長だった人物です。大統領秘書室長という役職は、日本でいえば内閣官房長官に当たります。文秘書室長は「盧武鉉の影法師」という異名をとるほどの側近中の側近でした。
盧大統領は、大統領退任の翌年2009年に、不正献金疑惑で検察が調査を行う中、飛び降り自殺するという不審な最期を遂げたのですが、このとき国民葬の葬儀委員長を務めたのも文在寅氏でした。
8月15日は日本では終戦記念日に当たりますが、韓国では光復節です。ご存じのように、光復とは「日本による植民地支配からの解放」を意味しています。ちなみに、台湾にも同じ意味における光復節があり、こちらは10月25日です。