CJ ENMは放送、映画、音楽などのエンタテインメントなどを手がけるCJグループ傘下。CJグループはもともとサムスングループの食品関連事業を請け負っていたが、93年にサムスンから分離。その後、食品やそのサービス、生命工学、流通、エンタテインメントを4大事業とし、特にエンタテインメントではドラマ、映画で数々のヒット作品を生み出すなど「メディアの恐竜」(朝鮮日報11月12日)とも呼ばれ、絶大な力を誇っている。
今回のねつ造に対し、CJ ENMは「成果給を狙った制作側の逸脱にすぎない」(スポーツ朝鮮11月6日)とし、会社は無関係という姿勢を貫いているが、「これほど大きな利益をもたらす仕組みを一介のプロデューサーだけで回していたかは疑問です。今回の件は企業の利益に関わる詐欺劇で、企業としてのコンプライアンス問題。無関係とはむしが良すぎる」(前出・テレビ関係者)という声もあがっている。
元練習生たちが代役を立て、覆面で証言
逮捕されたアンプロデューサーは、「シリーズ3」での記者会見でこう話していた。
「番組を通して、韓国や日本のそれぞれの特殊性ではなく、アジア、あるいは世界を舞台に活躍するアイドルを夢見る子たちが、韓国というひとつの場所に集って共通の夢を成し遂げる、夢、友情、成長というキーワードを描きたかった」(スポーツトゥデイ 2018年6月11日)
10月に「CJ 似非オーディション」と題し、一連の疑惑を検証した時事番組『PD手帖』(MBC 10月15日放映)では『プロデュースX101』に参加した練習生が収録中のさまざまな不可解なシーンについて証言したが、本人ではなく代役が使われさらに覆面で映し出された。
また、ある業界関係者は「ここで(CJ ENMに)睨まれたらアウトなんです。話ができる人なんていない」と怯えていた。このどこに夢と希望があるのだろうか。
年明けからK-POP界では「BIGBANG」のメンバーの性接待疑惑(バーニングサン事件)が飛び出すなど醜聞に巻き込まれている。
11月12日、ソウル地方警察はこの事件について、「公正な社会を実現する次元で徹底した調査が行わなければならない」とし、アンプロデューサーをはじめCJ ENM関係者も立件したと発表。さらにシーズン4に出演した練習生にも話を聞くとして時期を調整していることを明らかにした。
折しも、「曺国事態」で韓国では「公正さ」がキーワードになっている。
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