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 では、がんや白血病はどうなのか。

「多くの場合、こうした重大疾患の患者は、トンデモ医療だけを受けているわけではありません。化学療法などの“標準治療”と併用しています。なので、効果が出たときはトンデモ医療の成果にして、効かないときは『標準治療をやってるからだ』という言い訳が用意されている」

 そんなトンデモ医療に引っ掛からないために覚えておきたい4カ条を、桑満医師に解説してもらう。

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その1)最新の医療技術なのに「エビデンスが古い」

 医療技術の科学的な根拠のことをエビデンスという。その治療法が最新の医療技術であるはずなのに、根拠となる医学論文が古いのは、すでに触れた「過去に消えて行った医療の焼き直し」である危険性が高いというのだ。それを知るには、治療法の説明に使われている引用論文やグラフの出典に注意したい。

「少なくとも最新の医療を謳うのであれば、遺伝子解析ができた21世紀以降の論文を根拠にしている必要がある。もちろん『The New England Journal of Medicine』や『The Lancet』のような権威ある医学誌に載った論文が根拠であるに越したことはないが、評価の高くない専門誌にキラリと光る論文が載っていることもあるので、こればかりは素人には分からないと思いますが……」

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その2)低く見るように「“標準治療”を悪くいう」

 標準治療とは健康保険が適用される一般的な治療法のこと。厚生労働省が認めた公認の治療技術だ。その標準治療を低く見るようなコメントが医師の口から出たら要注意だ。

「まず標準治療を優先するのが本来の医療の在り方です。それを、あたかも標準治療では効かないけれど、こっちの自由診療なら治せます――といったセールストークを使ってきたら、間違いなくトンデモ医療と考えていいでしょう」

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 トンデモ医療は標準治療になっていないので、基本的に自由診療だ。ただ、間違ってはいけないのは、自由診療がすべてトンデモ医療というわけではないという点だ。残念ながら日本では保険診療適用となっていなくても、海外では標準医療とされている治療が皆無ではない。

「トンデモ医療に飛びつく富裕層は、標準治療の“標準”という言葉に納得がいかないのです。“標準”があるなら“特別”があるはず、と考えて、より高額なものに手を出そうとする、お金持ち特有の心理が働くのです」

 医療は鰻重ではない。「上」とか「並」とか「松竹梅」は存在しないのだ。