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「血液クレンジング」をめぐる、はあちゅうさんと物好きの終わらない宴

アンサーソングを書かずにはいられない

2019/11/15
note

 産後で慌ただしい生活を送っているであろうはあちゅうさんが見舞われた、例の「血液クレンジング」問題につきまして、ネットは大騒ぎになっていました。

 某日早朝、満員電車乗車中に便意を催し駅のトイレで踏ん張っていたところ、腸に詰まっていた難物が思わず全部流れ出ていってしまうような記事がBuzzFeedからぶっ放されているのを知りました。さすがははあちゅうさん。まさにサバンナ高橋もニッコリの宿便キラー、下剤のごとき即効性高らかな話題性であります。

はあちゅう、血液クレンジング拡散を謝罪「ステマではない」「何も信じられない」
https://www.buzzfeed.com/jp/ryosukekamba/hachu

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 なんだこれは。

 しかも、長いインタビュー記事の中に、素敵な人物代表として、この私・山本一郎と、昨年悲しい事故で命を散らしてしまったHagexさんとが例示されているじゃないですか。

©iStock.com

ステマではない? そうですか

 これは呼ばれましたかね。

 アンサーソングになる本件記事を、書かずにはいられないですよね。

 もちろん、はあちゅうさんがインタビューの中で長々と語っている「ステマではない」という釈明は、それはそれとして受け入れたいと思います。ステマではない? そうですか。やはり世の中「北朝鮮が核兵器を放棄したと言っている」と報じられれば「そうですか」と応じ、また「アメリカ海軍は横須賀には核兵器を持ち込んでいない」と言い放てば「そうですか」と受け入れるのが大人の対応だと思いますので、これはもう、はあちゅうというコンテンツとして受け取る側も粛々と「そうですか」と正面からプロレス的に受け取るのが筋であろうと思っています。

 やっぱこう、私たちも大海原のような広い心で荒波を受け入れる気持ちがなければいけないと、常々感じているんです。

 そうでなければ、はあちゅうさんの「人生全部コンテンツ」というコンセプトを受け止めきれない。「プロレスって、ヤラセでしょ?」という永遠の問いに対する人類からの納得のいく答えは導き出せないと思うのです。

 ところで、神庭亮介さんと岩永直子さんの取材によりますと、「ブログ『はあちゅう主義。』では『血液クレンジング』という言葉の入った記事が、2012〜2013年に46本も投稿されていました(現在は削除)。「これはステマではないのですか?」と、はあちゅうさんを牽制するものの、結果として、はあちゅうさんの言い分を垂れ流すような記事になってしまっているのは残念でした。

 釈明の本筋を見ますと、トレンダーズの美容クーポンサイト「キレナビ」の編集長として活躍しておられたはあちゅうさんは、今回例示されている医療クリニックから無料で対価を貰っていなかったので、2012年から2013年にかけて46本の「血液クレンジング」の記事を執筆しても「ステルスマーケティングには当たらない」という内容になっています。そうですか。