しみけん師はいいから早く帰って来いよ
例えば、いままでどれだけはあちゅうさん個人がさまざまな活動や発言を理由として炎上したとしても、それは個人の問題であり、それでもはあちゅうさんが好きだとサロンに入っておカネを投げ込んでくれる養分がいたとしても、それは適法な活動である限り「面白いじゃないか」とはあちゅうさん人生全部コンテンツを受け入れます。笑いあり、悟りあり、はあちゅうさん、時として良いこともたくさん言うのです。それがはあちゅうさんの高い作家性ゆえだと、私たちも凄く評価する部分は、あるのです。
しかしながら、生まれてくるお子さんは別です。さすがに、まだ自我もないお子さんやご家族を揶揄する気にはなれない。『旦那観察日記』とか、確かに面白いわけですよ。妊娠期間というものは、普段だったら気にも留めないことでイラついたり、ちょっとしたことで不安になったり、ご主人が愛おしい奥さんと子ども置いて夜遊びしててムカついたり、いろんなことがあって当然だと思います。しみけん師はいいから早く帰って来いよ。ネットではあちゅう暴れて大変なんだぞ。
そんな感じでみんな心配もするわけで、コンテンツとして、はあちゅうさんの繰り出す人生模様を心から楽しんでいる私たちも、そのあたりはうまく割り引いて、毛沢東のごとく「攻めて来られたら退き、引いていったら進む」という精神で程よく向かい合ってまいりたいと思うわけであります。
本当に驚くほどしっとりとした文章をすっと書くのですよ
でもお子さんに関してだけは、どうかうまく線引きしてあげて欲しい。お子さんには、親とは別人格で、違う人生を歩み、幸せを追求する権利がある。ご懐妊やご出産をネタにコンテンツにしてやろうというところまでは良いけれども、今後本人にとっても多感な時代を過ごすにあたり、変なネタにならないといいなと思うのです。
翻って、はあちゅうさんの今後で言うならば、やはり女性作家の巨匠として、林真理子さんや西原理恵子さんのような、作品を通して読む人に力を与え、人として生きる道筋を示せるような、そういう立派な作家活動を目指してはあちゅうさんには頑張ってほしいと願っています。それは、書き散らかしたブログやSNSのテキストをまとめただけの粗製乱造本をファン向けに売りつけようと一杯出すなという話ではなく、はあちゅうさん、冴えているときは本当に驚くほどしっとりとした文章をすっと書くのですよ。
確かに私も故・Hagex師と同様に、出世作的な『さきっちょ&はあちゅうの恋の悪あが記』以降、傑作も駄作も刊行物はすべて読み、Twitter、Instagramもブログも欠かさず目を通してきました。その意味では、おおいに楽しませていただいている快便側の一人です。表現者として優れているからこそ、ときとして人を大笑いさせ、面白がらせ、悩ませ、納得させ、イラッとさせ、ああこれははあちゅうさんにしか言えないなと思えるような、ハッとする鋭い記事を書く。SNS依存じゃないかと心配になるほどたくさん与太話やステマまがいの書き込みを書き飛ばしている量の中に、他の女性ネット民では追随できないぐらいに質の高い文章を書く作家性がある。