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〈GSOMIA破棄カードに日本はびくともせず、韓国と米国の信頼関係に傷がつくだけという信じられない事態を招いている〉と書いたのは、韓国三大紙の「朝鮮日報」(11月16日付)だ。
〈GSOMIA破棄が敗着であることはすでに誰の目にも明らかだが、それでも韓国大統領府は態度を改めず意地をはり続けている。米国は激怒しているが、韓国大統領府の鄭義溶(チョン・ウィヨン)安保室長は『韓米同盟とは全く関係がない』と強弁している。彼らは一体何を期待しているのか〉
さらには、GSOMIA破棄を譲らない大統領府に対して、韓国では破棄でも撤回でもない「第3の道」を探す苦労が続けられている。冒頭で紹介した「6カ月延長案」をはじめとした“ウルトラC”だ。
大統領府関係者の話として浮上しているのが、2014年に締結された日米韓3カ国の国防当局間の情報共有に関する取り決めである「TISA」を強化して、「GSOMIA」並みにしてしまおうという提案だ。
「中央日報」(11月8日電子版)も、大統領府が模索する〈日本の態度変化が担保されることを条件にGSOMIA終了か延長ではない第3の方法〉として、このTISA強化案を報じているが、事はそう簡単には進みそうにない。
「TISAでの代用はすでにアメリカ側からも否定されてしまいました。『第3の道』では根本的な解決にならないのは明らか。いくら表面だけを取り繕っても仕方がないのですが、そんなことを真剣に考えているのが韓国の現状なのです」(在ソウル特派員)
韓国軍からは「クーデター」説まで
安全保障の最前線に立つ韓国軍の現場からは、こんな不穏な噂話さえ聞こえている。