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パレードが終わり、思ったこと
パレードの前日、「天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」でも雅子さまは涙を流した。2日続けての涙は、「皇后」としてはあまり見られないことかもしれない。でも、「普通の感覚」とすれば、珍しいことではない。こんなアマチュア精神は、批判する人より、歓迎する人の方が多いはずだ。そして歓迎している人の代表は、陛下ではないだろうか。
パレードが終わり、お二人は赤坂御所に戻られた。そこでしばらく車内にとどまられた時、雅子さまが陛下に声をかけた。すると返事をするためだろう、陛下が雅子さまの方に体を寄せられた。そのご様子は正面からでなく、後ろから映された。背中からだったが、お二人の温かさが十分に伝わってきた。陛下が雅子さまを尊重していることが、よくわかった。
そして、最後にもう一度、雅子さまのアマチュア精神を垣間見る瞬間があった。
君が代演奏が終わり、いよいよお二人が赤坂御所に戻るという時だった。背中を向ける直前、雅子さまが会釈をされた。陛下はなさらなかった。雅子さまのみの会釈。
皇室のルールとしてどう振る舞うべきか、それはわからない。だが世の中で働いている人は、仕事を終えて退出する時、会釈をする。雅子さまの体に残る「普通の感覚」が、雅子さまに会釈をさせた。そう思った。
雅子さまのアマチュア精神は、皇室が私たちと地続きだと思わせてくれる。それこそが、雅子さまの存在感。パレードが終わり、そう思った。