「皇后雅子さま 胸元のファンタジスタ」。そんな見出しのグラビアが掲載されたのは、「女性セブン」2019年7月11日号だった。ストールと、ネックレス。雅子さまのファッションに注目し、コーディネートの方法を解説する。そんな内容だった。
小和田雅子さんの「スカーフ」が注目の的に
雅子さまが小和田雅子さんだった頃を思い出した。注目の的だったのが、雅子さんのスカーフだった。「雅子さんに学ぶ」アレンジやら巻き方やらが、あちこちで特集された。
それから26年。雅子さまは皇后になられた。そして再び、ファッションが注目された。懐かしい気持ちになった。同時に、こんな感慨もわいてきた。
雅子さまも国民も、長いトンネルを抜けたなー。
雅子さんと雅子さまとスカーフとストール。そういう話を書いてみる。
雅子さんが皇太子妃に内定したとワシントンポストがスクープしたのは、1993年1月6日。その2日後、雅子さんは初めて外出した。オフホワイトのロングコートを着ていた。メディアの代表者が「国民のみながおめでとうと言っております」とマイクを向けると、「そうですね、でもまだ正式には決まっておりませんので」と答えた。華やいだ表情で、すごくきれいだった。
このコートはイタリアのHERNO(ヘルノ)というブランドのものだとすぐに報じられ、以来外出のたび、雅子さんは写真に撮られた。小和田邸はコンクリート打ちっ放しの一軒家。だから背景にはコンクリートの壁が写り、そのモダンさと雅子さんの「外務省勤務のキャリアウーマン」という経歴がマッチし、「絵になる外出」だった。