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なぜ「オンボードメモリ搭載」のゲーミングマウスが最適?

 ゲームでの利用を前提に設計された、いわゆるゲーミングマウスは、マウスのボタンに任意の機能を割り当てることができ、その多くが、ホイールの回転方向を逆向きに設定できる機能を備えています。こうした製品をいったんPCにつなぎ、ホイールの向きを逆に設定した上でiPadに接続すれば、Windowsで慣れたホイールの回転方向を、iPadで実現できるというわけです。

 ただし、ボタンのカスタマイズに対応したゲーミングマウスであればどれでもオーケー、というわけではありません。というのも、こうしたボタン設定がPC上に保存されるタイプだと、PCから抜いてiPadにつなぎ直した段階で、元の挙動に戻ってしまうからです。

 ここで選ぶべきなのは、これらボタン設定をPCではなく、マウス本体に保存できるタイプです。俗に「オンボードメモリ搭載」などと書かれたゲーミングマウスがそれで、これらはマウス内のメモリ領域に設定を保存することで、どんなPCに接続しても同じ割当を使えるようになっています。さまざまなPCでプレイするゲーミングマウスならではの仕組みです。

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 単に「ボタンの割り当てが可能」とだけ書かれたゲーミングマウスは、オンボードメモリに対応していないことがほとんどですので、製品特徴にそれらが書かれているか事前に確認しないと、せっかく買ったのに使えなかったということになりかねません。今回筆者が試したエレコムのゲーミングマウス「M-DUX30BK」は、問題なく利用できることを確認しました。

エレコムのゲーミングマウス「M-DUX30BK」。オンボードメモリを搭載し、マウス本体に設定を保存できます。実売価格は1000円台で入手可能です
ボタン設定で、ホイールUPに「ホイールDOWN」、ホイールDOWNに「ホイールUP」を割り当てることで、ホイールの回転方向を逆にできます。PCでこれらの設定を行い、オンボードメモリに保存したのちiPadに接続します
Windowsと同様、ホイールを先頭方向に回すと、画面が下に動く動作が可能になりました

 もっとも、オンボードメモリを搭載していればどんなマウスでもOKというわけではないようで、製品によっては消費電力の問題もあるようです。今回もうひとつ、オンボードメモリを備えたSteelSeriesのゲーミングマウス「SENSEI 310」も試しましたが、電力不足のエラーが出て、ポインタの操作が極度に遅くなりました。

SteelSeriesのゲーミングマウス「SENSEI 310」を接続した際のエラーメッセージ。電力が不足している旨が記されています。ちなみにホイールの回転方向の切り替えは問題なく行えました

 こうした製品ごとの相性を購入前に見抜くことは難しく、現時点では口コミでの情報を期待するしかありません。今後、各メーカーによる検証と情報提供を期待するとともに、将来的にはiPadで快適に使える、専用のBluetoothマウスが登場することも期待したいところです。