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都築 それは当然、そうなるべきです。マイノリティーの人が表に出てくること自体が視聴者の意識を変えることになりますから。そういった、医学的じゃない、社会的なバリアがあるんじゃないかという問題意識は、映画や小説、ブログやテレビ番組でいろいろなきっかけを与えていけば、どんどん広がっていくと思いますよ。
正直、「あまりトラブルを招きたくない」という後ろ向きの心理が、映画でもテレビでも、プロデューサーの中に働いているところはあります。でも、あちこちで成功例が出てくれば、「あ、あいつがやったなら俺もやろう」というふうに付和雷同してくる。
第2回でさっそく起きた“変化”
――横並び状態が破られれば、状況は変わる、と。
都築 そうそう。先ほど、「障害者が出たら視聴率が下がる」などとプロデューサーたちが偏見を持っていた話をしたでしょう?
始まる前はそんな感じだったけれども、『24時間テレビ』の2回目では、ある大スポンサーが「銀座にショールームを持っているので、そこで障害者のバンドに演奏してもらってはどうか」とオファーしてきたんです。案外、ほんのちょっとしたことで、ドーンと変わってしまうものなんですよ。きっかけの問題じゃないか、と思ってます。
(#3「『“出口”が見つからないがために、形にならない善意がある』『24時間テレビ』生みの親が語る、番組の原点」へつづく)
写真=平松市聖/文藝春秋