昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2019/11/25

 だいたい、最終的に米国の圧力に屈するのであれば、なぜGSOMIAを日本への対抗措置として持ち出したのか。青瓦台がGSOMIAが韓米日の安保協力体制の象徴であることを認識していなかったことからこんな混乱が生じた。愚策中の愚策でした」

ドナルド・トランプ米国大統領(左)と文在寅・韓国大統領(右)©Getty Images

政権寄りの各紙は世論を牽制


 与党「共に民主党」は、当日午前中には李海瓚代表が「GSOMIAは朴槿恵政権が締結したもので、事実上、韓国の安保において重要ではあるが必須不可欠なものではない」と語っていたにもかかわらず、発表を受けて「外交の勝利」と自画自賛。しかし、進歩・革新系紙は慎重な論調だ。

 京郷新聞は、「終了効力停止という折衷点を探し出した」(社説、11月23日)、「GSOMIA延期が日本を対話の場に引き出したと評価できる」(同25日)と重ねて評価。青瓦台関係者の「日本の輸出規制の解決のための協議が進行されている間、GSOMIA終了を暫定的に停止するという意味」という言葉を引き、「(日本の)輸出規制が解かれない場合、韓国がいつでもGSOMIA終了とWTO提訴を強行できるので、“不等価交換”とはいえない」(同23日)としたが歯切れは悪い。

 政府にもっとも近いといわれるハンギョレ新聞も条件付き延期決定をした理由について青瓦台関係者の「日本に対話の意志があったため決定した」というコメントをひいたが、「政府の発表内容が日本の輸出規制撤回を要求してきた国民の要求には及ばないという指摘は免れない」と批判。ただ、「“GSOMIA葛藤”は日本政府が提供したという事実には変わりない」とした。

不買運動を主導した団体などが反発


 51%が破棄に賛成していた(世論調査会社「韓国ギャラップ」)世論からは反発の声が上がっている。文在寅大統領の支持層である各市民団体からは不満が噴出。

 労働組合の「民主労総」など全国の進歩系のおよそ680の市民団体を束ねて日本製品不買運動を主導している「安倍糾弾市民行動」は「政府は歴史に残るでたらめを犯した」(統一ニュース、11月23日)と猛反発。23日には「GSOMIA条件付き延長の屈辱決定を糾弾する緊急記者会見」を開催し、政府の決定を「屈辱的な、国民を無視した、平和を脅かす、積弊を復活させた決定」と断じた。

 また、進歩派のSNSへの書き込みをみると、「GSOMIA終了猶予決定について論争が起きているが、日本メディアの報道によれば、安倍首相を含め、日本はなんの譲歩もなしに米国の圧迫のせいで韓国が退いたと騒いでいる。(日本は譲歩していないというのが)事実ならだまされたことになる。日本には少し大国らしい面貌をみせてほしい」というものがあった。

 また、北朝鮮専門家は、「条件付きというが、終了猶予するならなぜしたのか? 韓国がまず終了を延長してから日本を説得する? 現在、日本は(輸出規制について)論議するという水準なのにそれをもって延長? 今後日本が輸出規制を撤回したとてもすでに負けたゲームだ。北朝鮮が激しい(面罵するような)表現を使った社説をだすことだろう」と書きこんでいた。

 そして、こんな珍場面も。