約5年半も明るみに出なかった卑劣な犯行
X被告は児童らが口外しないことをいいことに、2013年1月から逮捕される18年7月までの約5年半の間、7人の被害者にわいせつな行為を繰り返していたが、Aさんが母親に訴えるまで犯行が明るみに出ることはなかった。
X被告は起訴され、初公判は昨年10月11日、千葉地裁で開かれた。7人の被害者ごとに追起訴が行われ、すべての起訴を終えるまでに1年近くがかかった。
裁判では、X被告の手口が次々に明らかになっていった。常習的な手口はこうだ。担任するクラスの女子児童の中で、物静かで、大人に告げ口しなさそうな子供を選んでは、理由をつけて空き教室や校内の倉庫などに呼び出す。そうして2人きりになると、X被告は児童に自分の局部を咥えさせたり、押し付けたり、児童の陰部を触ったりしていたという。その一部始終をカメラで撮影し、映像に残していた。
「体だけは大人になりやがって」と触られた
中でも犯行の状況が明らかになったのは、Dさんに対する犯行だ。Dさんは担任だったX被告から、5回の被害を受けた。初めて被害を受けた際、Dさんは忘れ物をしたことから、X被告に教室に残るように言われ、「服をまくって」と体操服を胸の下あたりまでまくらされ、下着が見える状態にされたという。
その日は服をまくり上げるだけで終わったが、その後、X被告の犯行は加速する。別の日には、Dさんが友人とトラブルになり、再び教室に残るよう言われた。今度は服をまくらされることはなかったが、「体だけは大人になりやがって」と服の上から乳首を触られたという。Dさんは当時を振り返り、「すごく怖かったです」と話した。
3回目も1人で教室に呼び出された。1回目と同様、服をまくるよう言われた。Dさんが上衣を下着が見える位置までまくると、X被告から「インナーもまくって」と指示され、その通りにした。5~10秒、X被告はDさんをまじまじと見つめると、「次(忘れ物)やったら、またひどいことするよ」と脅した。4回目も、だいたい同じ状況で、今度はデジカメでDさんが服や下着をまくる姿を撮った。