被害者本人が出廷「一生刑務所の中で暮らしてください」
今年10月31日に行われた論告では、検察官が厳しい表現でX被告を非難した。「小学校の教諭の立場を悪用した卑劣な犯行」「鬼畜の所業と言うしかない」「小児性愛の傾向は顕著で、矯正困難。再犯の可能性がある」――。懲役15年を求刑した。
また、被害者側からの意見陳述として、7人の被害者の家族の意見がそれぞれ読まれた。中でも被害者のCさんは、Cさん本人が出廷して現在の心境を吐露した。
「ひどいことをされてから5年がたちます。これまで親にも話せませんでした。家族でテレビを見ていたときに、テレビであなたが捕まったというニュースを見ました。思わず『ざまあみろ』と言ってしまいました。(中略)裁判になると聞いたとき、裁判には出なくてもいいと言われましたが、直接言いたいと思って勇気を出して参加しました。(中略)一生刑務所の中で暮らしてください」
一方、弁護側は「小児性愛障害などの性指向障害が犯行に影響し、治療を望んでいる」とし、「今回に限り、寛大な判決を求める」と述べた。
X被告は裁判長から「最後に言いたいことは」と促されると、おもむろにメモを取り出し、読み上げた。「信頼を寄せてくれていた子供たちの人格を無視し、尊厳を踏みにじる、大変なことをしてしまいました」と涙声で語り始め、「(教師になってしばらくすると)学級崩壊したクラスを受け持たせてもらって、立て直すことができたり、子供たちから『楽しい』と言ってもらえたりしました。(中略)自分には子供を変えていく力があるのではないかと考えるようになってしまいました」。
最後には出廷していた保護者の一部やCさんに対し、「被害者の方々、保護者の方々、申し訳ございませんでした」と深々と頭を下げたが、被害者らの感情を逆撫でするだけだった。
判決は近く、千葉地裁で言い渡される。幼い子供たちの心を陵辱した「鬼畜」教師に、どんな裁きが与えられるだろうか。