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家系ラーメンの四天王「はじめ家」はなぜ富山県魚津市にあるのか

家系ラーメンの四天王「はじめ家」はなぜ富山県魚津市にあるのか

店主は元トラック運転手。吉村家で1年半修行した

genre : ライフ, , グルメ

中毒性あるよね、ラーメンって

「はじめ家」は、18席ある長いカウンターと小上がりにテーブルが2つ。オフピークの時間帯も客足は途絶えることはない。週末になれば、駐車場は県外ナンバーの車でいっぱいになる。

 ところが、オープン当初からともに店を切り盛りしている女将さんは、「最初のころは、客足はさっぱりでしたよ。これで大丈夫かなと思いましたから」と陽気に振り返る。

 

――やっぱり慣れ親しんだ味とはちょっと違うという方が多かった。

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小沢 そうやね、そういうのは最初あったと思いますよ。そのうち、少しずつ土曜日、日曜日にお客さんが並ぶようになって、だんだん平日にも行列ができるようになって……。

 おれも最初、吉村家で食べたとき「えっ、なんやこれ。こんなラーメンあるんや!」って衝撃やったからね。この辺のラーメンしか食べたことなかったから、「ラーメンってこんなものなのか」って。「えっ? すっげえ!」っていう感覚は、お客さんも最初あったのかもしれないですね。

――じわじわと増えていったと。

小沢 中毒性あるよね、ラーメンって。おれもさ、吉村家で食べて「あれっ、何これ?」って思って、それからしばらく通った。すると、不思議と「えっ、もう一回ちょっと食べてみたい」っていう気持ちになって、さらに食べているうちにもう中毒になっているんです。

 

店主自らが一つひとつを盛り付ける

――県外からのお客さんも多いようですね。

小沢 すごく多い。特に土日になったら、もうすごいですね。石川、新潟、岐阜とか、近隣県の人がほとんどですけど、なかにはとんでもない遠くのお客さんもおりますね。

 魚津はなんといっても魚が美味しい。ノドグロなんか、東京で食べたら高級魚でしょう。いいお寿司屋さんも多いですし、せっかく県外からこられたら、魚も食べて帰ってほしいですね。

◆ ◆ ◆

ラーメン味玉トッピング(760円)

 肝心のラーメンは、しっかり丁寧に取った豚骨だしが感じられる、深味のあるスープ。そこに本場に勝るとも劣らない太麺がうまく調和している。繁盛店となった現在も、店主自らが一つひとつを盛り付けている様子が印象的だった。“北陸の虎”による手間がかかった一杯、一度は食べておきたいラーメンである。

写真=山元茂樹/文藝春秋

INFORMATION

 

はじめ家

住所 富山県魚津市吉島67-1

営業時間 11:00〜23:00(月曜定休。祝日の場合は翌日が休み)

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