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そして発見したホーム喫煙所――その駅とは?

 そしてお次はいよいよ大月駅である。大月駅といえば、中央線快速電車が東京から走ってくる終着駅。高尾~大月間は30分に1本の間隔で電車が走っており、その2本に1本が高尾以東から直通してくる“中央線快速”である。富士急行線との乗換駅でもあり、大月市の代表ターミナル。そうしたこともあってか、ホーム上に喫煙所はなく、駅前の線路際に設けられているだけであった。

 さて大月駅から先は、中央線快速電車の直通がなくなるので、まさに1時間に1本しか走っていない閑散路線となる。各駅停車よりも特急電車のほうが多いくらいに盛んに走っているが、小さな駅はビュンビュンと飛ばして通り過ぎていく。そんな特急が見向きもしない、大月以西で最初の駅は初狩駅である。

大月駅からひと駅の初狩駅

 初狩駅に降り立って、とりあえずホームの端まで歩いてみる。同じ電車で下車した人は他に数人いたが、一直線に改札口へと続く階段を降りていったからここも期待薄なのか……と思いきや、ホームの遠く端っこ、電車が停まるか停まらないかといった場所になんだか小さなハコがあるのが見える……。おや、これはもしや……あった、あった! 初狩駅のホームには喫煙所があったのだ。

おや、初狩駅には小さなハコが……
やっと見つけた、ホーム灰皿
どこか“懐かしさ”を感じさせる

でもタバコを吸っている人には出会わなかった

 初狩駅は何の変哲もない山間の小さな無人駅。利用者もさほど多くなく、訪れたとき喫煙所でタバコを吸っている人はいなかった。灰皿の中をそっと覗いてみたが、吸い殻らしきものもナシ。初狩駅を利用する人に喫煙者がいないのか、それともこの小さな駅でタバコを吸う人がたまたまいないのか。たぶん、後者だろう。そもそも初狩駅では昼間、1時間に上下1本ずつしか電車が来ない。それにきちんと合わせて駅に来れば電車待ちの時間が生じることもない。

 ちなみに初狩駅ではホームから改札口に出るまでに、一度階段を降りて地下通路を抜けてから何本もの線路を横断する必要がある。この線路は現在は保線基地になっているようだが、かつては砕石工場に通じて多くの貨物列車が行き来していたらしい。その跡地が今も使われているというわけだ。……と、鉄道的な見どころがなくもない初狩駅が、中央線で初めて巡り合う“喫煙所のある駅”であった。東京駅からの快速電車がやってくる終点が大月駅。そこまでは喫煙所がなく、そのひとつ先の初狩駅には喫煙所がある。なんとなく、大月駅が“東京圏”の境目なのではないかと思わせる喫煙所探しの旅であった。

初狩駅の地下通路
初狩駅の入り口

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