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日本の子どもの「読解力」8位から15位に急落――“PISAショック”をどう読み解く?

 PISA(経済協力開発機構が3年おきに実施する国際学習到達度調査)における日本の「読解力」の順位が急落したことを、12月4日新聞各紙が1面で伝えた。毎日新聞は総合面で「『PISAショック』再び」と見出しを付けた。「PISAショック」とは、2003年のPISAの結果で日本の順位が急落し、2002年に始まったばかりだったいわゆる「ゆとり教育」への疑念が噴出したことを指す。

 なんとも皮肉なのは、今回PISAを受験した子どもたちが実は小1から中3まで「脱ゆとり」教育を受けた1期生だということである。「PISAショック」から生まれたカリキュラムを受けた子どもたちが新たな「PISAショック」の当事者になってしまったわけだ。

 

文部科学省・国立教育政策研究所「OECD 生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)のポイント」より

そもそもPISAの順位に意味はある?

 もちろんPISAとは国の教育力を競う大会ではなく、順位の変動自体には本質的な意味はない。数値に有意な変動があるならば、その背景を探り、新たな打ち手を見つけることにこそ意味がある。またそもそも経済協力開発機構(OECD)は経済の観点から教育を評価しており、その学力観が絶対的ともいえない。

 であるからして、今回PISAでの成績が低迷したからといって「すぐに対策を!」というのは安直である。対策が必要な可能性は高いが、どんな対策が必要なのかを見出すには十分な議論が必要だ。そこを焦れば、大学入試改革のすったもんだの二の舞になりかねない。

 

今回のPISAの結果。日本は科学的応用力で5位、数学的応用力で6位だったが、読解力は15位に ©共同通信社