テレビでお隣・韓国大統領だった朴槿恵女史の弾劾とかやっとったわけですよ。うわ、いきなり大統領罷免されとる。大丈夫なんですかねえ。なんかこう、韓国政治を見ていると、確かに歴代の大統領は自殺に追い込まれたり有罪判決を受けて投獄されたり、それはもう韓国の政治風土のヤバさを骨の髄まで教えてくれるような有様を見せつけてくれるわけですけれども。憲法的には弾劾にはあたらないけど国民感情が納得しないから弾劾するとか韓国の憲法裁判所マジ凄い。それで良しとしちゃうところが凄い。プロジェクトX(死語)を観ているみたいだぜ。

「これが韓国の民主主義が高度で成熟している所以」なのでしょうか

 韓国人にしても、自分たちが直接選挙で大統領選んで祭り上げておいて、なんか事あるごとに評価急落とともに変なスキャンダルが出てくるというのはびっくりです。もちろん、韓国人の有権者の気持ちは分かりますよ。ご愁傷様ではあります。それにしても普通、親族にそこまで露骨に金集めさせたりしないよな、だってバレたら大変だもの、とか大統領に選ばれるほどの人が気づかなかったりするものなのでしょうか。良く分からないんですよね、そこが。真面目に務め上げればいいじゃん、たかが5年とかでしょ、とはならない。どこかしら、金に汚い親族が出てきたり、政策に手心を加えてほしい多国籍企業とかやってくる。んで、汚職。当然のようにバレる。大統領任期の最後の方はグダグダ。みんな一斉に韓国メディアにバッシングされて、スキャンダルから人格否定まで何でもやられて、そしてぼろきれのように使い捨てられて、次の大統領が選任される、の繰り返し。

 韓国政治に詳しい人たちが言うには「これが韓国の民主主義が高度で成熟している所以だ」そうです。大統領の弾劾による罷免をですよ。でもそれを言い出したら韓国の大企業が大統領の親友の運営する財団に多額の資金提供をしていたのもチェックできていなかったわけだし、そもそもそのような人物を大統領にしちゃったわけですからねえ。それが成熟というならどうぞお好きに、とは思うわけです。

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 何というか、隣の国でいる私たちにとっても、確かに韓国は面倒くさい国に感じるところはあります。従軍慰安婦像ひとつ取ってみても、もうちょっとやり方や言い方があるんじゃないかと思ったりするんですけど。ただ、産経の黒田勝弘さんが面白い記事を書いてました。

【ソウルからヨボセヨ】「韓国と付き合っていいことあるの?」実は日本のよいお客様 - 産経ニュース

 実は韓国に進出している日本企業はたいてい黒字で頑張ってて、世界的に見ても韓国は日本にとって良い取引相手、良いお客様なんだ、なんてことを論じておられます。それはそうなのかもしれません。是々非々で韓国を見ながら、日本も韓国との付き合い方を考える、という方法論が一番ということなんでしょうか。また変わった感じの韓国大統領候補が出てきているので、そういう余裕もないのかもしれないけど。

日本と韓国、人の命に関する話題のレベルが違い過ぎる

 それでも、お茶の間で韓国政治の大混乱を見ているうちは「うわ。これは大変なことになっとるなー」と思いながらもどこか他人事なわけです。だって、朴槿恵前大統領の支持者によるデモ隊と安全を守る警官隊が衝突して死者3人とか言ってるんですよ。もう少し落ち着けよお前ら。こっちなんか南スーダンに派遣した自衛隊員に死者が出たらどうするんだですったもんだしている防衛大臣の稲田朋美女史自身が森友学園の顧問弁護士の一人として10年ぐらい前に頑張ってた話が取り沙汰されてるんです。人の命に関する話題のレベルが違い過ぎる。もうね、何が何だかよく分からないけど、戦闘地域かもしれない南スーダン怖いって死者が出る前から国会で大騒ぎしている隣で大統領の罷免を巡って人が死んでいる状況ってヤバく感じないですか。北朝鮮にいたっては何かミサイル飛んでるし、金正男さんはよその国で殺されてるし。意味が分からん。それも大部分がだ。

 そういう状況なので、国会で「瑞穂の國が~」とか、都政は都政で小池百合子都知事が「築地は衛生上安全だから~」などとくだらないことで論戦している脇で、しっかりした官僚組織がちゃんと行政をどうにかしているほうが国家の知恵としては正しいのかもしれません。やっぱりさあ、平和が一番ですよ。うん。