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 では、一方の“神待ち”を経験をしたことがある少女たちは、「男たちの本性」をどう見えているのだろうか。17歳の少女が見た神が、共通して持っていたのは「感謝される優越感」だったと打ち明ける。

「20人くらいの“神”の家に泊まったことがあります。泊めてくれる理由は様々でした。『一人暮らしで寂しいから』『若い女の子にお世話されてみたい』という人がいれば、『複数の女の子に囲まれてハーレムみたいにしたい』と開けっ広げの欲望を打ち明ける人、『仕事で日中、家を空ける間の家賃が無駄だから、家事やってくれるなら住んでいい』という合理的な理由を言う人もいました。生活レベルも、タワーマンションから本当に汚いボロアパートまでピンキリでした。でも、男たちに共通していたのは『弱ってる女の子を助けて、感謝される優越感』を持っていたこと。だから、お礼を言っていれば大抵のことは怒られないし、夕飯に惣菜を買っておいてあげるだけでもすごく喜んでくれるんです」

SNSに滲み出る家出願望が狙われる

 精神科医でヒガノクリニック院長の日向野春総氏が指摘するのも、“神”の弱さだ。

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「この事態は“女性のペット化”なんだと思います。ペットは穏やかで懐いてくる、臭いがしない、暴れない。それと同じことを求めて、同世代の女性に声が掛けられない男性が年下の女性をペットにしようとする。高校生くらいになると知恵がついて反抗されてしまいますから、小中学生を狙う。未成年の家出願望の女の子が狙われるんです」

伊藤容疑者が住んでいた家 ©文藝春秋

 そして、日向野氏は、家出する少女たちに警鐘を鳴らず。

「家出願望は小学生の4割が持っているとも言われています。家出したい子の気持ちは家庭内では気付きにくい。でも、SNSでは目に見えない心の動きが滲み出てしまう。少女たちがSNSで小さな不満を書き込んでいるうちに、男たちに目を付けられ、『じゃあ、相談においでよ』と声を掛けられて、グラッときてしまうのです」

「週刊文春デジタル」では、家出少女に男性が宿を提供する“神待ち”に関する情報を募集しています。自身の体験、危険な失敗など教えてください。特に、男性側の体験談をお待ちしております。メールアドレスは、下記の通りです。

sbdigital@bunshun.co.jp