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「彼らからじゃないと感じられないものがある」

――ゴミ山! これまでもロシアのカルト教団だったり、ネパールの火葬場だったり、「よくこんな場所探してきたな」という極地に行っています。取材場所はどうやって見つけるんでしょう?

上出 僕とあと3人ディレクターがいるんですけど、それぞれのディレクターが行きたい場所に行く。「ここ行ってきて」って押し付けると良いものは撮れないし、台本も何もない状態で現地に行くので、本当に興味があることじゃないと掘れないですから。だから、ディレクターの「ここに行きたい」というモチベーションの優先順位はすごく高いですね。

 

――上出さんが惹かれるのはどんな場所?

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上出 ディレクターによって色があるんですけど、僕はとにかく自分と遠い過酷な状況であればあるほど興味がある。死ぬこと生きることを毎日意識している人と関わってみたい。番組初回で取り上げた、リベリアの墓場で暮らす元少年兵たちも15万人以上が死んだという内戦を生き抜いている。彼らからじゃないと感じられないものがある。

 あと、本当に他の人が絶対行きたがらない、ゲロ吐いちゃうようなところに僕は行けるというのもあります。それこそがテレビの役割だと思っているんですけど、人が行けないところに代わりに行って、カメラを回して、それを視聴者の皆さんに見てもらう。  

 今回行ってきたケニアのゴミ山も日本人はなかなか行けない場所だろうと。じつは僕も呼吸器をちょっと壊しましたけど。

「そこに暮らしている姿に圧倒された」”ゴミ山×お赤飯”も

――えっ……。大丈夫なんですか?

上出 ゴミ山に人が住んでいるんですけど、そのゴミが基本燃えちゃっているんですよ。自然発火ですね。その煙がすごく有毒で、においもすさまじい。それでやられました。

 でも、そこに暮らしている彼らの姿には圧倒されました。そして何と言っても“グルメ番組”ですから、ちゃんとおいしいものが出てきます。ゴミ山ではお赤飯。

『ウルトラハイパーハードボイルドグルメリポート』で放送予定の「ゴミ山暮らしの若者飯」より ©テレビ東京

――予想もつかない組み合わせです。

上出 僕も最初見たとき、ビックリして「おぉ、赤飯だ!」って言いましたもん。本当にゴミ山の、まさにど真ん中で赤飯炊いて食うんです。

――じっさいの映像が楽しみです。そのゴミ山の存在は、ケニアに行く前から知っていたんですか?

上出 事前にケニアのテレビニュースを見たり、YouTubeでサーフィンしたりして、ここは殺人がすごく起こっている場所だなと気付いて興味を持ちました。日本のメディアでは見たことないんですけどね。