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 また、英国出身のギタリスト、エリック・クラプトン(74)は、かつて重度のヘロイン中毒だった。ヘロイン中毒を克服した後もアルコール依存に陥り、クラプトンはまさに生死の境をさまよった。

 岩波教授が続ける。

「インスピレーション、興奮、快感など、刺激を常に求める性質は、精神医学の分野では『センセーション・シーキング』(sensation seeking)と呼ばれています。芸能人や音楽家など、創作に携わる人々は、この性質を一般の人よりも強く持っていると考えられます」

ピエール瀧 ©文藝春秋

 つまり、センセーション・シーキングの性向をもつがゆえに、彼らはリスクをおかして薬物にも手を出してしまった可能性があるのだ。

発達障害と薬物の強い関係

 センセーション・シーキングと関連の強い精神疾患として、発達障害の一種であるADHD(注意欠如多動性障害)がある。「不注意」「多動」「衝動性」が特徴のADHDは、人口のおよそ3~4%いると推測されている。

「ADHDの人の頭の中は、つねに複数の思考が湧き出ており、次から次へと考えが生まれ続ける状態にあります。これは『マインド・ワンダリング』と呼ばれます。その一方で、興味ある対象には我を忘れて取り組む『過剰集中』を示します。

 そんなADHDの傾向がある人には、向いている職業があります。デザイナー、ミュージシャン、作家などの個人プレーに近い職業です。彼らは次から次へと新しい思考が湧いてくる一方で、一晩集中して一気に作品を仕上げるといった作業を得意とします。いわゆる芸能人も、ADHDに向いた職業でしょう」(岩波教授)

出典:「文藝春秋」2020年1月号

 じつはADHDと違法薬物には、非常に密接な関係性が存在することが、海外の研究で明らかにされている。

 その衝撃的な内容については、「文藝春秋」1月号および「文藝春秋digital」掲載の「芸能人はなぜ薬物に走るのか」に詳細に書かれている。

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