「『探偵!ナイトスクープ』の時間がやってまいりました。複雑に入り組んだ現代社会に鋭くメスを入れ、さまざまな謎や疑問を徹底的に究明する『探偵!ナイトスクープ』。私が局長の松本人志です」
関西地区では11月29日に放送された『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送テレビ)のオープニングで、この回より番組の3代目局長に就任したダウンタウンの松本人志が、おなじみの口上を述べ、“松本探偵局”を本格始動させた(東京MXテレビでは12月15日に放送予定)。
『探偵!ナイトスクープ』は1988年3月、タレントの上岡龍太
「上岡さんの才能を生かして、1本の番組にできないか」
そもそもこの番組は、まず上岡ありきの企画だった。番組の初代プロデューサーの松本修によれば、1987年秋、当時の副社長から、若い視聴者をターゲットとした新番組をつくるよう命じられたのが発端だという。松本はすでに自身が30代後半だったことから、自分と同年代に受け、なおかつ若者にも受ける番組というふうにターゲットを広げたうえで、スタッフらと企画を練った。初めはひとつずつテーマを決めてアイデアを出し合ったが、すでに似たような番組が存在していたりしてうまくいかない。ならばと今度は、メインとなるタレントを想定して番組を考えることにした。そこで松本がふと思いついたのが、上岡龍太郎だった。
松本は自分の担当する生番組で、かつて上岡に司会陣に入ってもらったところ、VTR終わりでのコメントが毎回鋭くて批評的だったのを思い出した。「上岡さんのこの才能を生かして、1本の番組にできないか」……そう考えた末に生まれたのが、視聴者からの依頼にもとづき、レポーターが取材し、結果を上岡に報告するというアイデアだった。これを探偵局というスタイルにして企画を提出、実現にいたったのである(※1)。