何事も、良し悪しは表裏一体である。それはもちろん鉄道にも当てはまる。どこまでもつながった線路の上を走って、遠い街まで連れて行ってくれるのは実にありがたい。けれど、それは裏を返せばうっかり寝過ごすと目覚めたときにまったく知らない土地に連れて行かれてしまうということでもある。飛行機ならば寝ている間に目的地を越えて遠くまで飛んでいくことはないから、“見知らぬ土地へ連れて行く”というのは鉄道ならではの欠点なのである。

京葉線&総武快速線でよく見る「上総一ノ宮」はどこにある?

 ……というわけで、今回もそんな見知らぬ終着駅を訪れた。目的地の駅の名は上総一ノ宮である。JR京葉線や横須賀・総武快速線の一部が終着としている駅だ。どちらかというと京葉線のほうが上総一ノ宮行が多いので帰宅時間帯の寝過ごしも危険だが、例えば朝の8時44分に東京駅に着く横須賀線は総武快速線に直通して終点は上総一ノ宮。つまり朝の通勤電車、金縛りにでもあって途中で降りることができずに乗りっぱなしになったら、上総一ノ宮に連れて行かれてしまうというわけだ。いやはや、なんとも恐ろしい。

京葉線、総武線快速の“ナゾの終着駅”上総一ノ宮には何がある?

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 では、そんなげに恐ろしき上総一ノ宮駅はどこにあるのか。地図を開いて探してみると、東京からはるか東、房総半島をズバッと横断して九十九里浜にほど近い場所。京葉線の駅でも総武本線の駅でもなく、外房線の駅だ。つまり、京葉線も総武快速線も、蘇我駅から外房線に直通して上総一ノ宮駅を目指すことになる。今回は、昼時の京葉線で上総一ノ宮に向かった。

今回の路線図。東京のはるか東へ。房総半島を横断していざ上総一ノ宮駅へ