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ADHDの人には「おおげさに褒める」

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「ADHDの場合は、質問に対し即答はできるのですが、内容が多すぎると分からなくなります。

 最初に全体の話をして、小さいことは関連させながら話していくとよい答えを出してくれます。多すぎず長すぎずがコツです。ワーキングメモリーが小さいので全体から部分に切り込みます。

 彼らは、話すときに、だらだらした話になり要点が分からないことがよくあります。要するに何が言いたいのと叫びたくなりますが、少し我慢してみましょう。もう少しで結論が聞けるはずです。

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 記憶の入り口が小さいので、奥底に入った記憶を出してくるにはすごく時間がかかるのです。

 行動力があり、アイデアを出すことは得意ですが、細かいところに注意が向かず、失敗することがあります。アイデアと行動力を褒め、間違いを防ぐ工夫を一緒に考えましょう。

 約束を忘れたりすることも多いので、リマインドを何度もするなどの工夫も必要です。

 ADHDの人は、目の前の褒美に飛びつく傾向があります。我慢すれば大きい団子が食べられるよ、と言っても目の前の小さな団子を食べちゃうという感じです。

 だから日々、当たり前のことをしたくらいでもおおげさに褒めると、俄然やる気を出してくれます。逆に怒るとやる気をなくします。こうして欲しいとつぶやくことも効果的です」

彼らが時間を守れない理由

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「唯一、アスペルガー、ADHDともに共通するのが、時間を守れない人が多いことですが、その理由は異なります。

 アスペルガーは、時間を量として理解できず時刻として理解しています。どのくらいの時間がかかるのか、どのくらいの時間が経過したのかが分からないのです。

 15分くらいの短い時間なら『歯磨きして、トイレに行って寝るまでの時間』などと考えることができるので、量を実際の単位として理解できるようになります。ハンバーガーとポテトを食べられる時間だねと言っても良いかもしれません。15分ごとに区切っていくことが大事です。

 ADHDは、ポジティブ思考の人が多いので、できると思って余分に詰め込んでしまうために時間を守れないことが多くあります。

 例えば、新宿まで急行で20分で行けるところなら、普通は『急行が来ないかもしれない』『電車が止まることもあるかもしれない』と考えて少し早めに出ようと考えますよね。

 しかしADHDの人は25分前に出ればいいと思ってしまうのです。そうすると、急行が来ない、駅を出ておりてから道に迷うなどして大遅刻することになるのです。

 だからADHDの人には、決まったパターンを作ってしまうことをお奨めしています。こだわりにすればできる特性を生かして『新宿に行くなら1時間前に家を出る』というパターンを作ってしまえばいいのです。

 考えたり行動するときの基盤として発達障害があります。病気と考えるのではなく、うまくできるよう、そして周囲もイライラしたりしないよう、うまい付き合い方をお互いに覚えていけるといいのではないでしょうか」