文春オンライン

「桜を見る会」問題は「年が明けたら雰囲気は変わる」の既視感 4年前の“あの出来事”でも

とりあえず閣議決定の“裏ワンチーム”

2019/12/20
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完成したが「後利用」が決まっていない

 それは、「新国立競技場」である。

 先日、新しい国立競技場が完成したが驚くのは「後利用」が未だに決まっていないこと。

「紆余曲折たどった新国立競技場 描けぬ五輪後の将来像」(産経ニュース12月15日)を読むと、年間維持費は24億円と見込まれているが「その回収の目途が立っていない」。なんとも恐ろしい事態。それもこれも当時「慌ててまとめたため」である。

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新しい国立競技場 ©︎AP/AFLO

 では当初のザハ・ハディド案を撤回した頃の状況を見てみよう。4年前を振り返った記事があった。12月1日の毎日新聞。

《総工費高騰の批判が強まる中、国会は安全保障関連法案の重要局面を迎えていた。同案は7月16日に衆院で強行採決されると、翌17日に安倍晋三首相は突然、計画の白紙撤回を表明。》

 思い出した!

 安全保障関連法案の成立で大騒ぎの中、その翌日に「ザハ案白紙撤回」を首相が発表したのだ。まるで合わせ技である。

 あのころ森喜朗の悲願と言われたのが新国立でのラグビーW杯開催。それありきでどういう議論で決まったか不透明だと批判されていた。下村文科相(当時)は15年6月29日、総工費を当初の2倍近くの2520億円と公表。一気に批判が起きた。

森喜朗氏 ©JMPA

 そんなときに安倍首相が「白紙撤回」。悪役・森喜朗退治である。それは安保から目をそらせる絶妙のタイミングだったともいえる。