省エネ社会そのものである超満員電車はどうにかならんかなあ
世界的には、そういう持続可能な社会の実現を目指して化石燃料の消費を抑えるために炭素税を導入しましょう的な議論があるわけですが、我が国においてはもともと山がちな地形で、山の森林や水源を守るための地域環境税が地方自治体などによって導入され、林野庁でも森林環境税が徴収されるだけでなく、地球温暖化対策税(石油石炭税)が環境税として導入されています。
これらはエンドユーザーにガソリン価格などで転嫁されるため、「ガソリン代たけーな」程度に思うことはあっても担税意識は低いかもしれませんが、これもある種の立派な炭素税の趣旨を満たす代替税であるとも言えます。当然、すでにそういう化石燃料の過度な利用に対する制約を設けるかたわら、省エネ社会そのものである超満員電車が大量に走っている日本人の苦労を小泉進次郎さんが国際会議で適切に代弁してくださるわけもなく、もうちょっとどうにかならんかなあと思うわけであります。
必要なのは断熱効率のよい家
その点では、移動する車や火力発電所の問題はありつつも、実際に日本が世界から大きく立ち遅れているのは家屋の断熱でありまして、夏暑く冬寒い日本では、主に西日本を中心に「寒いのは着ればどうにかなるが、暑いのは裸になってもどうにもならない」ということで、湿気の多い日本で家の通気性を重視した家づくりをもって良しとする文化がありました。
しかしながら、エアコンが各家庭に普及して大正義になっているこんにち、床まで丈のあるカーテンもないような外の暖気冷気をガンガンに室内に通してしまうアルミサッシにガラス窓で暮らしている家庭がほとんどの日本では、欧州のような断熱の効いた暖かい家、クーラーがよく効く断熱効率のよい家に価値を置く、という思想がないのです。 高温多湿な気候で木造が中心の日本で、地震を考慮した家づくりを考えれば、断熱どころではないというのは分かります。結果として、いくら省エネだと車に乗る量を減らしても、家自体が断熱でないのでまったく環境によろしくないという残念な状況にあります。
このあたりも踏まえて、小泉進次郎滝川クリステル夫妻が生まれてくる赤ちゃんのために断熱効果の強い愛の巣を作りますと言えば、グレタさんに心を動かされる人が出るのと同様「おっ、そうなのかな」と思う人も出てくるんじゃないかと思うんですけどね。二酸化炭素排出を抑えるという点では、よりエネルギーを効率的に使える断熱効果の高い建材を使った家を推進する、ぐらいのことは環境大臣として考えるべきだろうとは思います。進次郎さんはきっと考えないとは思うけど。
そして、何より日本のエネルギー安全保障において、エネルギーミックス政策の問題点は、福島第一原発事故の教訓が大きすぎて、いまだに国民は原子力発電のアレルギーが強いということです。