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アンタッチャブル“無告知復活” 異色すぎるフジ番組『脱力タイムズ』を知っていますか?

『全力!脱力タイムズ』制作総監督・名城ラリータさんインタビュー #1

ゲスト芸人のスタイルが決まった「綾部さんのNY行き」回

――でも番組当初はゲスト芸人さんの反応を楽しむ形ではなかったように思います。そもそも誰の回でこのスタイルが定まったんでしょうか?

名城 ピースの綾部さんが来てくれた回(2016年11月11日)ですね。ちょうどニューヨーク行きを宣言した頃に出演してもらったんですけど、ゲストは菅田将暉さんで。普通はブレイク真っ盛りの菅田将暉さんを軸に作った方が良いに決まっているのに、綾部さんのニューヨーク行きが面白すぎてどうにかイジれないか、と考えついたものが今のスタイルです。

――どんな企画だったんですか?

名城 まず綾部さんを世界的スーパースターと紹介して、隣に通訳の人をおくんです。綾部さんはその時点で「この人だれ?」という台本にないシナリオに困惑しているんです。そこに有田さんが「本日はお忙しい中、日本までわざわざ来て頂き、みんな喜んでます。」と通訳越しに聞いて、通訳の人が英語で綾部さんに話す。なんたって世界的スーパースターですから(笑)。そこで綾部さんが「ちょ、ちょっと待ってください。何か勘違いされてるみたいですけど、僕まだ渡米してませんから」とツッコむと、それを「大丈夫です。僕分かります」という全然違う日本語で通訳されてしまうっていうコントでした。

 とにかく困惑している綾部さんが面白くて(笑)。ツッコミもどんどん冴えていって「このスタイルでいける!」と確信しました。

 

視聴者との“共犯関係”がある『全力!脱力タイムズ』

――そしてゲスト芸人のほかに、コメンテーター1人というのがお約束です。他のバラエティ番組ではなかなか見かけない大物芸能人の皆さんが全力でコント番組に参加されます。

名城 ゲスト芸人さんには渡していないですが、『脱力タイムズ』には台本がきっちりあるんです。「本当のこの俳優さんじゃない」と自然に視聴者が感じ取ってくれる、ある種の“共犯関係”で楽しんでもらう番組です。

 最近は、俳優さんでもバラエティに出ると、ある程度プライベートを話す必要がある。でも芸人さんみたいにお笑いのプロではないので難しい。そこを僕らが演出的な台本を作って、「この女優さんこんなこと言わないだろう」というのを視聴者に笑ってもらう。藤原紀香さんが「私、正真正銘の友近です」なんて絶対言わないじゃないですか?(笑)

――ツッコミやお笑いが専門ではない、ゲスト俳優さんやタレントさんでもコント番組に参加してもらえる! といった手ごたえが何かあったんですか?

名城 うーん、手ごたえを感じたのはベッキーさんをお迎えした回(2018年8月24日)ですかね。文春でのスキャンダルを使ったコントで。

 冒頭は「今年も総ざらい!芸能界スキャンダル大特集!!」と銘打つんですけど、司会の有田さんが「これは止めよう」って、ベッキーさんを気にして企画を下げるんですね。それで急遽変えた次の企画が「大解剖!知って得する!LINEの新機能」で。「LINEまずいな……これもやめとこう」ってなる。

 ベッキーさんが「いやいや、いいです、いいです」って言うと、次は「暑い夏は笑いたい気分 旬な芸人5連発」って企画が出てくる。「ああ、これならできるじゃん」みたいな空気が流れて、有田さんが読むと「あついなつはわらいたいきぶん しゅんな……、笑いたいきぶんしゅんな……きぶんしゅん……文春。はい、やめよう!」ってなっちゃうコントでした。