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2019/12/23

genre : ライフ, 社会, 企業

飲みたくもない人と、カネも時間も、気も使うのはイヤ

 同社の調査によれば、参加したくない人の本音としては、「会社の人と飲むより友達と飲みたい」「話がつまらないし合わないので時間の無駄」「上司が嫌いだから」「飲み放題にする事が多く、料理の質が低くなり代金はそれなりにかかる」「気疲れしてしまう 失礼なことをしないか気になって楽しめない」「つまらない、気を使うので疲れる」「上司の話を聞くのが面倒くさい。二次会に連れて行かれる」「金銭的な負担額大きいから」というように、飲みたくもない人と、カネも時間も、気も使うのはイヤである、というもっともな理由である。

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 確かに、この時代において、会社の忘年会という仕組みは、色々と理不尽さをはらんでいる。

・「忖度」「空気を読む」社会風土だからこそ、半強制のような同調圧力によって、行かざるを得ないようなプレッシャーを受ける
・社員の親睦を目的としたものでありながら、自費である
・勤務外とみなされ、残業にもならない
・結局は職場の上下関係が持ち込まれ、酒を注ぐ、会計をするなど、若手が気を遣う
・上司の昔話、説教、自慢話に付き合わされる
・上司は上司で、そんな若手の反感を感じながら飲んでも美味しくもない
・パワハラ、酒の上でのトラブルも発生しやすい

 といったように、デメリットが目立つようになっている。

企業の「ぶん投げ」思考の表れ

 そもそも、腹を割って、忌憚なく意見を交わし合うことが苦手な日本人ゆえ、企業は、格好の親睦機会として、社員同士の飲み会を都合よく奨励してきた。結果的に、アルコールの力を借りた「飲みにケーション」に依存する形となり、会社内でのコミュニケーションがおろそかにされてきた側面がある。

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 この「飲みにケーション」は世界的に見ても稀有な日本独自の慣習として知られている。外国人向け情報サイトGaijinPotには、

「日本では、同僚と飲みに行くことは非常に一般的で、会社によってはそれが無言のルールとなっているところもある。(中略)同僚と職場で話すことは『私語』ととられ、最小限度にすべきと考えられている。職場で、いい人間関係を築くことはできないので、仕事の邪魔にならないようオフィスの外で、関係作りをするように求められるのだ」

 こんな記述があるが、そもそも、社員同士のコミュニケーションや親睦は、職場ではなかなかできないから、「勤務時間以外に、自費で自己責任でやってよね」という企業の「ぶん投げ」思考の表れでもある。

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