本家の「文楽」では男性が3人で遣うのと外見は変わらぬ人形を、女性1人で遣う「乙女文楽」。宝塚少女歌劇団が人気を博した昭和の初めに大阪で生まれ、戦後は下火になっていた芸だが、「ひょっこりひょうたん島」で有名な、神奈川県の人形劇団ひとみ座のプロの人形遣いの女性たちの手で受け継がれて今年、50年を迎える。
「最初は、日本の伝統的な人形の遣い方を学ぶことに意義があると、劇団員の有志が集まって、乙女文楽の遣い手でいらした桐竹智恵子師匠に習い始めました。次第に注目されるようになり、海外公演も増え、去年もフランスの国際人形劇フェスティバルに参加しました」とメンバーの亀野直美さん。
その素朴な味わいと貴重な芸に触れられる公演が、GW中の5月3・4日、ひとみ座で行われる。演目は『奥州安達原(おうしゅうあだちがはら)』袖萩祭文(そではぎさいもん)の段と『義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)』道行初音旅(みちゆきはつねのたび)。
「前者は人の世の哀れさや現代にも通じる人の情を、後者は舞踊的な華やかさをお楽しみ頂けます。人形だから表現できる見所を沢山お見せしたいと思います」(亀野さん)
料金は前売り2800円。人気公演に付き、ご予約はお早めに。
第7回 乙女文楽 公演
予約・問い合わせ (公財)現代人形劇センター TEL:04-777-2228
http://www.puppet.or.jp/otome2017/