年の瀬が近づき、まもなく箱根駅伝の季節がやってくる。今回は混戦が予想される。前回の王者であり、今季の全日本大学駅伝を制した東海大学、出雲駅伝で三大駅伝初優勝を果たし、勢いに乗る國學院大學……。そんななかレース展開を占う上でもっとも重要なポイントがある、と言うのは「あまりに細かすぎる箱根駅伝ガイド2020」を上梓したEKIDEN News主宰の西本武司氏だ。彼はこう断言する。「日本テレビのゲスト解説陣の人選を見れば、その年の箱根駅伝が分かるんです」。本当だろうか……。その超マニアックなレース展望を、説明してもらった。
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日テレは今回の箱根駅伝をどんなアングルで捉えているのか
僕が毎年12月10日頃に行われる箱根駅伝の記者会見に行くのには、理由があるんです。
大半の記者たちは注目校の監督や主務の発言、今回であれば26年ぶりに出場を決めた筑波大学のコメントを取りにいく。でも僕が注目しているのは、箱根駅伝を生中継する日本テレビのゲスト解説陣が今回誰になるか、なんです。ここで誰を起用するかによって、日本テレビが今年の箱根駅伝をどういうアングルで捉えているか、往路復路それぞれどの大学に注目しているかが分かるからです。
なぜ日テレの見方が重要なのか。それは日テレがどのメディアよりも大会や合宿に記者を派遣して、1年間を通して選手を追っているからです。しかもディレクターの中には、箱根駅伝に出場したことがある元陸上部員も隠れていたりするので、その情報網は侮れません。先日はあるディレクターから僕の元に「日体大の寮長、𢌞谷賢のnoteが抜群に面白いんです」というマニアックすぎる情報がもたらされました。Twitterでもインスタでもなく、noteですよ。しかも実際に見たら、確かに面白かった(笑)。
それぐらい情報通の日テレが選んだ、今年のゲスト解説陣がこちらです。
【1月2日 往路】中村匠吾(駒澤大学→富士通)、森田歩希(青山学院大学→GMO)
【1月3日 復路】設楽悠太(東洋大学→HONDA)、湊谷春紀(東海大学→DeNA)
さて、これを読み解くと、こういうことになります。
まず今回の往路は混戦必至で、目まぐるしく順位が変わる展開となるでしょう。拓殖大学、東京国際大学、国士舘大学あたりも、1度は首位に立つ可能性がある。けれども日テレが選んだ解説陣を見ると、やっぱり最後は駒澤大と青学大が強いのではないかと見ていることがわかります。特に青学大は5区の山登りを制する展開も期待できるだけに、往路の解説には外せないと思ったわけです。
ではたくさんいる駒沢大OB、青学大OBから誰を選ぶか。