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“相当客を選ぶバラエティ”松本人志の『ドキュメンタル』は、どうやって作られたか?

『ドキュメンタル』総合演出・小松純也さんインタビュー #1

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「シーズン2」には「えらいもんが映っちゃった」

――ドキュメンタリーとして面白かったのは、参加のための100万円をそれぞれの芸人がどうやって机に出すかを見せていたところでした。銀行の封筒に入れている人もいれば、輪ゴムで止めているだけの人もいて。あれはまさに演出の領域、見せ方なんですか?

小松 僕らはそこに関しては何もしてないです。ただ「出してください」という流れがあるだけです。出演者たちの性格からして、それぞれ個性が出るだろうとは思っていました。なので、できるだけそれは映るように編集はしましたけどね。

『ドキュメンタル』(シーズン1)制作発表会見 ©時事通信社

(※シーズン1に参加したのが、宮川大輔、ダイノジ・大地洋輔、とろサーモン・久保田和靖、FUJIWARA・藤本敏史、野性爆弾・くっきー、トレンディエンジェル・斎藤司、天竺鼠・川原克己、東京ダイナマイト・ハチミツ二郎、マテンロウ・アントニー、そしてジミー大西。

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 そしてシーズン2に出場するのは、前回に続いて出場の宮川、藤本、ジミーの3人に加え、バナナマン・日村勇紀、アンジャッシュ・児嶋一哉、バイきんぐ・小峠英二、森三中・大島美幸、ダイアン・津田篤宏、平成ノブシコブシ・吉村崇、ジャングルポケット・斉藤慎二)

――シーズン2は吉本所属の芸人以外にも出演者を広げていますね。

小松 もともと吉本だけでやる理由もありませんから。ただ、企画自体が結構きつい企画なので、やったこともないものに飛び込んでいただくのは難しい。ある程度の相互理解がある環境でやったほうがいいんじゃないかということで初回は吉本に限定したんだと思います。で、1回目見て、他の芸人さんも「ああ、あれだったら」ということで出ていただいているということかなと思います。なかなか勇気がいることだと思いますけどね。彼らも大活躍でした。

――女性芸人も参加されて。

小松 面白かったですね。女性ならではの戦い方をしてました。色仕掛けというか(笑)。

――えー、そんなことが(笑)。1回目をやってみて、改善点は?

小松 ありましたね。ルールが番組の中で披露される展開になっているので詳しくは見ていただいて。その結果すさまじい展開になりました。

――おお、楽しみです。

小松 えらいもんが映っちゃったなっていう感じですね。楽しみにしてください。期待していただいても大丈夫だと思います。

©三宅史郎/文藝春秋

「入ったばっかりの小松くんも笑うとるがな」

――そもそもダウンタウンと出会われたのは、小松さんが劇団そとばこまち時代に出演されていた『おっと!モモンガ』ですか?

小松 いや、『モモンガ』では会ってないです。フジテレビに入社してADについた『夢で逢えたら』が初めてです。

――印象はどうでしたか?

小松 僕は大阪でも多少テレビの仕事をやっていて、ちょっと人気者になると特有の嫌な感じになる方を何人も見てきました。ダウンタウンも東京に来てガーッと人気が出ているタイミングだったんで、そんな感じかなって思ってたんですけど、全然僕が想像していた人たちではなかった。優しかったです。

――ああ、そうなんですか。

小松 厳しいけど優しかったですね。とにかく真面目。僕が入った初日にフロアで笑ってたら、「入ったばっかりの小松くんも笑うとるがな」って、松本さんがイジってくれたりとかして。

――そんな入ったばっかりのADの名前も覚えてくれているという。

小松 そうですね。ビックリしましたね。優しかったです。

★次回は、そのダウンタウンと作り上げた『ごっつええ感じ』のことを詳しく伺います。

こまつ・じゅんや/1967年生まれ。京都大学在学中に「劇団そとばこまち」に所属、放送作家としても活動した。90年フジテレビ入社。バラエティ番組制作に携わり続け、『ダウンタウンのごっつええ感じ』『笑う犬の生活』で90年代のコント番組を牽引した。関わった番組は他に『笑っていいとも!』『SMAP×SMAP』『トリビアの泉』『IPPONグランプリ』『ほんまでっか!?TV』など多数。現在は共同テレビジョン第2制作部部長として、『ドキュメンタル』『人生最高レストラン』『チコちゃんに叱られる!』など多様な番組をプロデュース、演出している。

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