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 ちなみにこれまでは「苗字と名前の最初」のように各音節の頭文字を入れ替えていたけれど、別に頭文字だけにしなければいけないというルールはない。「モロダシ・ボン(モロボシ・ダン)」のように、中途半端なところを入れ替えるのももちろんOK。やっぱり下ネタ風味だけど。

 それではちょっと実験。「苗字と名前の最後の文字を入れ替えてみました」は果たして面白いだろうか。頭文字を入れ替えたバージョンとお尻を入れ替えたバージョンを並べて比較してみよう。

ラウンド1
  向井理→
  おかいむさむ
  むかむおさい

 むさ苦しそうな「むさむ」と、ムカついてそうな「むかむ」。どちらにしてもイケメン俳優の面影はない。なかなか良い勝負だが、少しだけでも人名っぽさを残しているほうが面白い気がするので、「おかいむさむ」の勝利。

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ラウンド2
  森末慎二→
  しりすえもんじ
  もりすじしんえ

「けつだいら」にも投稿されたことのある有名作品。尻を揉んでいる木枯し紋次郎をイメージさせてくれる前者はまさに王者の風格だが、「もりすじ」の直球っぷりがあまりに衝撃的だったので「もりすじしんえ」の勝利。

ラウンド3
  オードリー・ヘップバーン→
  ヘードリー・オップバーン
  オードリン・ヘップバーー

 ヘップバーー。ヘップバーー。はたしてありなのかこれは。「最後の文字を入れ替える」というルールじゃないと絶対出て来ないなこんなの。ヘップバーーの謎の勢いにやられてしまったので、「オードリン・ヘップバーー」の勝利。オードリンも地味にかわいい。

ラウンド4
  大腸ポリープ→
  ぽいちょうダリープ
  だいちょぷポリーウ

 頭とお尻両方にパ行の入った言葉でやってみるとどうなるんだろうということで「ポリープ」を引っ張りだしてみた。しかし「だいちょぷ」より「ぽいちょう」のほうがインパクト抜群。パ行の音は頭に来ると破壊力がすごい。やっぱりパ行ではじまる日本語がないからなのか。「ダリープ」の微妙にダルそうなところもなんか好き。「ぽいちょうダリープ」の勝利。

ラウンド5
  それにつけてもおやつはカール→
  俺につけてもそやつはカール
  それにつけてるおやつはカーモ

 それでは高校生の頃の私の腹筋を痛め続けた伝説の一作で勝負。意外なことに、お尻を入れ替えてみてもちゃんと意味が成立した。つくづく完成度が高い作品だったのだな。「カーモ」ってどんなおやつだよ。「それにつけてる」って何につけてるんだよ。

 しかしやっぱりそれでも、「そやつ」のインパクトに勝つことは出来なかった。平和そうな農家のヒゲおやじが「そやつ」なんて言葉遣いをしているのを想像するだけでもう笑いを禁じ得ない。「俺につけてもそやつはカール」の勝利。そして、「頭を入れ替えるチーム」と「お尻を入れ替えるチーム」の対決は、「頭を入れ替える」に軍配が上がった。

 そんなわけで、この対決を通しての結論。パ行が頭に来るのはそれだけで面白いので卑怯。

 このスプーナリズム、非常に面白い言葉遊びなのだが、どういうわけかハマればハマるほど感性が男子小学生へと退化してゆくのでそれだけは気をつけないといけない。私も一応の品性を保つために、そろそろこのあたりでブレーキをかけることにしたい。