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2019/12/28

夢眠ねむは「アイドルになりたかったわけではない」

 夢眠さんは、じつはもともとアイドルになりたくてなったわけではない。美大時代、表現に行き詰まった彼女は、ふと、高校時代に秋葉原のメイド喫茶へ行って衝撃を受けたことを思い出した。ここから表現の研究のため、自ら秋葉原のメイド喫茶で店員として働き始める。そのうちに、一緒にメイド喫茶で働いていた子たちが、オープンまもない「秋葉原ディアステージ」というライブスペース兼バーに結構移っていることを知った。彼女もまた、ほかの店員から「ねむも絶対に向いてるよ!」と言われ、ディアステージに移籍する。

 本人はあくまで研究のつもりであったが、ディアステージに入ってからしばらくして、プロデューサーの「もふくちゃん」こと福嶋麻衣子からステージで歌うように言われた(※2)。歌が苦手だった彼女は当初拒んだものの結局受け入れる。そうして心ならずも歌い始めたところ、福嶋からさらに「アイドルにならない?」と持ちかけられた。このころ、ディアステージ所属の古川未鈴と小和田あかりが「でんぱ組」というグループを結成していた。夢眠さんは2009年、PCゲームの主題歌を歌うユニットのオーディションを受け、古川と小和田、西村めめ(現・相沢梨紗)とともに合格し、4人で「でんぱ組.inc」としてデビューすることになる。だが、自分をアイドルと思えない時期はその後も長らく続いた。そんな意識が変わったのは、ロングだった髪を切ってボブにしたことと、さらにひとりのファンから「俺がアイドルと思ってるんだからアイドルだよ」と言われ、アイドルは他者評価だと気づいたのがきっかけだった。ここから彼女は「夢眠ねむ」のイメージをわかりやすくしようと、デザイン的な考え方で、自分をアイコン化していったという(※3)。

アイドル「でんぱ組.inc」時代の夢眠ねむさん(一番右)

バカリズムは「アイドルをアイドル扱いしないMC」

 でんぱ組.incが結成されるのと前後して、2006年にはフジテレビのCSで『アイドリング!!!』という番組がスタートする。アイドルの卵たちが、その名もアイドリング!!!というグループに所属しながら色々な経験を積み、一人前になっていくことを目的に始まった同番組でMCに就いたのが、コンビからピン芸人になったばかりのバカリズムだった。彼はアイドリング!!!のメンバーに対し、アイドルだからといって手加減はせず、バラエティで笑いをとるすべを徹底的に叩きこんだ。そのかいあって、元メンバーからは菊地亜美や朝日奈央など、のちにバラエティで活躍する者も現れた。

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