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【動画つき】「酷な話かもしれませんが……がんです」突然そう告げられたら、あなたはどうする?

『未来のことは未来の私にまかせよう 31歳で胃がんになったニュースキャスター』 (黒木奈々 著)

genre : エンタメ, 読書

――9月にがんであることを公表されましたね。

 はい。当初、母には「なぜ、そんなことをするのかわからない」と反対されましたが、自分としてはどうしても皆さんにお知らせしたかった。週の半ばで突然、番組からいなくなったので、さまざまな噂がネット上で飛び交っていたようです。デング熱発症か?とか、スキャンダル発覚か?とか(笑)。

 私自身、病気を告知されてから、がんであることを公表していらっしゃる方たちの言葉に大変励まされたので、今度は自分の番、と思ったんです。私が胃がんを公表し、病気と闘って克服できたら、それが誰かの励ましになるかもしれない。そんな気持ちでした。

――セカンドオピニオンを経て、がん研有明病院で手術を受ける決断をされました。

黒木奈々氏

 心から信頼できる先生にめぐり会えたと思ったので、手術を受けることにしました。最初は腹腔鏡で大丈夫なはずだったのに、結局は開腹手術をすることに。ショックでした。まだ嫁入り前なのに、お腹に傷あとがついてしまうし。でも、そんなこと言っていられない。手術の前の夜、ひそかな自慢だった傷一つない自分の「お腹」に別れを告げました……。

 幸い手術は無事に終わり、転移もありませんでした。

――でも、それで終わりではなかったんですね。

 そう、がんを完全に克服するために抗がん剤治療を受けることになったんです。それも、飲み薬と点滴の併用を3回に分けて。まだ2回しか終わっていませんが、予想以上の副作用の辛さに、かなりへこたれています(笑)。以前の私は食べることが大好きだったのに、何かを口に入れることが、こんなに辛いとは。同じ病気に悩む方たちの参考になればと、どんなものだったら食べられたのかを本の中では克明に書いています。胃がなくなってしまった今も「食いしんぼ」で「肉食女子」なので、「今日はビビンバを食べられた。快挙」とか「早く焼き肉屋に行けるようになりたい」なんてことばかり日記につけているものですから。「美味しい」という感覚が戻ってきたときは、本当にうれしかったです。

――もう少しで長いトンネルから抜けられそうですか?

 絶対にもう一度、番組に戻りたい、あの場所に立ちたい。その思いが私を支えてくれています。

 桜の花が咲く頃、皆さんにテレビを通じてお目にかかりたい。それが、私のただ一つの願いです。

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