スチャダラパーのANIさんまで巻き込んだDJイベント「ラードシティ」
――用語というと、『アゲ太郎』ではとんかつや揚げ物に関連した言葉がたくさん出てきました。それが作品を飛び出して、作中の名前そのままに「ラードシティ」というDJイベントも開催されましたよね。
イ:渋谷でやりましたね、しかも2回も。これもすごくうれしかったなぁ。スチャダラパーのANIさんも「DONUTS DISCO DELUXE」というユニットで来てくださって。
小山:でも緊張して全然しゃべれなかったんですよ(笑)。
イ:ANIさんには単行本の帯にコメントを寄せていただいたりもしました。
小山:関われただけでも光栄でした。自分にとっての人生のワンミッションをクリアした感があります。
意外とみんな面白いって言ってくれるんだ、世の中捨てたもんじゃないなって
――連載を終えての感想をお聞かせください。
小山:実は終わってからイーピャオとは全然会っていなくて、まだ感想をちゃんと言い合っていないんです。でも考えてたネタをちゃんと全部出しきって、すべてを描ききれてよかったな、というのが一番ですね。
イ:そうですね。アニメにもしてもらって、話題になったのもすごくうれしいんですけれど、当事者としてはまずやりきったというか、完結させたことが大きいです。
――これだけの大きな反響、売れ方というのは想像されていましたか。
小山:いえいえ、売れたとは思ってもいないんですけれど、でもこんなに話題というか、いろんな方に取材してもらえたり、というのは考えていなかったです。好きなことを地道に描けたらいいなと思って始めたので、意外とみんなおもしろいって言ってくれるんだ、世の中捨てたもんじゃないな、と感じました。
――次回作に関しては、何か決まっていることなどはあるんでしょうか。
小山:正直なところ、全然決まっていないんですよ。ひらめいたら描きます(笑)。
――イーピャオ先生は。
イ:小山の次回作に参加する予定は、いまのところないですね。今後のことはいろいろ考えようと思っています。
――おふたりの今後のご活躍をお祈りしつつ、10巻と11巻、楽しみにお待ちしております。
小山・イ:いい仕上がりになるようにがんばります!
写真=杉山拓也/文藝春秋